香港、1/31の新型コロナ新規感染確認数53人…前日から大幅増、市中感染44人中感染経路不明は17人
- 2021/1/31 18:44
- 香港・大湾区
人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。
香港政府は1月31日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が前日から25人増の53人だったと発表。前日は1月14日以降で最少だったが、再び上昇に転じた。内訳は市中感染が18人増の44人、輸入性が9人。市中感染のうち感染経路不明は17人で、前日から9人増。このほか、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は20人超とのこと。
香港衛生防護センターでは、市中における新規感染確認者数が再び上昇に転じ、終息の兆しが見えない状況について、市中に存在する無症状感染者が日常生活を送る中で感染を拡大させている可能性が指摘されている中、症状が軽いことなどから見つけ出すのは容易ではないとし、その手段として局地ロックダウンによる一部エリアや感染者の出現したビルの住民に対する強制検査を展開していることに理解を求めた。
依然として市内各所で集団感染(クラスター)の出現が続いている状況。近日、マンションの同一棟内での感染連鎖が多数確認されており、当局が感染者の出現したビルの住民を対象とした強制検査を実施するケースが増えている。この日は香港国際空港第3滑走路建設工事現場の作業員4人の新規感染確認があり、この事案の累計感染確認者数は作業員13人と密接接触者2人の計15人規模となった。
ここまでの香港における累計感染確認数は1万0453人、退院者数は9423人、死者数は181人。
香港政府は早期に市中感染ゼロを達成することを目標として掲げ、状況に応じた施策を打ち出している。12月下旬に英国や南アフリカで変異種のウイルスが出現し、香港にも流入したこと、クラスター及び感染経路不明事案が続いていることなどを受け、ソーシャルディスタンス措置(飲食店のイートインは1テーブルあたり2人までに制限、飲食店の夕食時間帯以降の営業禁止、バー・美容院・劇場・カラオケ店ほか多業種を対象とした閉鎖令など)、学校の対面授業の見合わせ、複数感染者が確認されたマンション・雑居ビル等を対象とする強制検査、水際対策の厳格化、密接接触者追跡センターの設置などが進んでいる。
一方、香港の隣にある人口約68万人のマカオでは、1月21日に約7ヶ月ぶりに新規感染確認があった。ドバイからの入境者(帰郷者)で、輸入性事例にあたる。ただし、市中における感染確認に関しては1月31日まで308日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。マカオ当局では、外地での感染リスク及びマカオへの流入防止対策として、春節(旧正月)ホリデーは外遊を避け、マカオに留まるよう呼びかけている。