香港、2/10の新型コロナ新規感染確認数17人…春節ホリデー明けにソーシャルディスタンス措置緩和の可能性も
- 2021/2/10 19:20
- 香港・大湾区
人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。
香港政府は2月10日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が前日から9人減の17人だったと発表。すべて市中感染で、前日から4人減。感染経路不明は1人減の4人で、6日連続で1桁台だった。このほか、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は20人超とのこと。
市内各所のマンションの同一棟内、グループホーム内、職場内などでの感染連鎖が続いており、依然として市中に存在する無症状感染者が日常生活を送る中で感染を拡大させているものとみられる。
香港では、第4波下で感染者が複数出現したビル(マンション)の住民に対する強制検査、1月下旬からは感染例の集中する特定区域を対象とした局地ロックダウンによる強制検査が散発的に実施されており、近日では広範かつ頻繁に実施されるようになった。並行して強制検査対象とするビルの基準引き締めも進んでいる。
ここまでの香港における累計感染確認数は1万0711人、退院者数は1万0022人、死者数は189人。
昨今の感染確認者数は増減を繰り返しながらも第4波下では低位にある。ただし、これまでもホリデーシーズン後に急増するパターンとなっているため、今週末から週明けにかけての春節(旧正月)ホリデー以降の動向が気がかりだ。政府はソーシャルディスタンス措置(飲食店のイートインは1テーブルあたり2人までに制限、飲食店の夕食時間帯以降の営業禁止、バー・美容院・劇場・カラオケ店ほか多業種を対象とした閉鎖令など)を春節ホリデー後の2月17日まで延長することを発表済み。香港政府食物衛生局の陳肇始(ソフィア・チャン)局長はこの日の会見で、春節ホリデー期間中に状況に大きな変化がなければ、ソーシャルディスタンス措置を一部緩和することに前向きな姿勢を示した。例として、飲食店における1テーブルあたりの人数を4人に、営業時間を午後10時まで延長することなどを挙げた。ただし、スタッフが14日に一度のウイルス検査受検を受けることなどの条件を付け、違反した場合には3〜14日間の営業停止または夕食営業禁止処分が下されるとした。また、政府広報官は最新の流行状況を踏まえ、政府部門における公共サービスを2月18日から全面再開することを発表した。なお、局地ロックダウンについては10日から春節ホリデー期間中にかけて実施しないとのこと。
香港で第4波が続く一方、海を隔てて隣にある人口約68万人のマカオでは、封じ込めに成功している。直近およそ2週間で2人の新規感染確認があったが、ドバイとポルトガルからの入境者(帰郷者)で、輸入性事例にあたる。市中における感染確認に関しては2月10日まで318日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。2月6日には香港より先に新型コロナウイルスワクチンの第1便(シノファーム社製の不活化ワクチン10万本)が到着し、9日午前から接種がスタートしている。