香港、2/11の新型コロナ新規感染確認数21人…市中感染17人中感染経路不明が7人…春節を前に感染連鎖避ける工夫呼びかけ

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府は2月11日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が前日から4人増の21人だったと発表。内訳は市中感染が横ばいの17人、輸入性が4人。市中感染のうち感染経路不明は3人増の7人で、7日連続で1桁台だった。このほか、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は10人超とのこと。

 市内各所のマンションの同一棟内、グループホーム内、職場内などでの感染連鎖が続いており、依然として市中に存在する無症状感染者が日常生活を送る中で感染を拡大させているものとみられる。

 香港では、第4波下で感染者が複数出現したビル(マンション)の住民に対する強制検査、1月下旬からは感染例の集中する特定区域を対象とした局地ロックダウンによる強制検査が散発的に実施されており、近日では広範かつ頻繁に実施されるようになった。並行して強制検査対象とするビルの基準引き締めも進んでいる。局地ロックダウンについては2月10日から春節(旧正月)ホリデー期間中にかけて実施されない見通し。

 ここまでの香港における累計感染確認数は1万0732人、退院者数は1万0077人、死者数は191人。

 昨今の感染確認者数は増減を繰り返しながらも第4波下では低位にある。ただし、これまでもホリデーシーズン後に急増するパターンとなっているため、12日から15日にかけての春節(旧正月)ホリデー以降の動向が気がかりだ。政府はソーシャルディスタンス措置(飲食店のイートインは1テーブルあたり2人までに制限、飲食店の夕食時間帯以降の営業禁止、バー・美容院・劇場・カラオケ店ほか多業種を対象とした閉鎖令など)を17日まで維持するが、18日以降は飲食店における1テーブルあたりの人数を4人に、営業時間を午後10時まで延長することなど、一部緩和する方針を示している。ただし、スタッフが14日に一度のウイルス検査受検を受けることなどの条件が付き、違反した場合には3〜14日間の営業停止または夕食営業禁止処分が下される。政府部門における公共サービスについても18日から全面再開予定となっている。

 香港衛生当局では、春節時期に挨拶訪問をする場合、自身の症状の有無と訪問先の高齢者や体調が優れない人の存在の有無をしっかりかり確認し、もし多くの人が一堂に会する状況であれば、滞在時間を短くすよう考慮してほしいと呼びかけた。

 香港で第4波が続く一方、海を隔てて隣にある人口約68万人のマカオでは、封じ込めに成功している。1月下旬から2月上旬にかけて2人の新規感染確認があったが、ドバイとポルトガルからの入境者(帰郷者)で、輸入性事例にあたる。市中における感染確認に関しては2月11日まで319日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。2月9日からは香港より先に新型コロナウイルスワクチン接種がスタートしている。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

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