マカオ、330日連続で新型コロナ市中感染例の確認なし…累計48人、死亡例ゼロ=約1.5万人がワクチン接種予約
- 2021/2/23 11:21
- 社会・政治
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大し、終息の兆しが見えない中、国際観光都市マカオでも状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。
マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは2月22日午後5時(現地時間、以下同)から週に一度の定例記者会見を開催。同日までマカオの市中における新型コロナの感染確認は輸入性または輸入関連性事案のみで、市中における感染伝播事案は出現していない。市中感染確認例は無症状感染者を含めて330日連続ゼロだった。輸入性事案に関しては16日連続ゼロ。
これまでの累計感染者数は48人で、46人が域外からの輸入性、2人が輸入関連性事案。院内感染、死亡例ともゼロを達成している。
目下、指定医療機関の隔離病室に入院中の患者は1人(第47例)のみ。第48例の患者と血液抗体検査で陽性反応が出現した1人は、直近の複数回の検査で陰性が続いたことから退院基準を満たしたとして、それぞれ2月20日、18日に退院済み。3人はいずれも1月21日に海外の滞在地から東京(成田)を経由してマカオに到着した在外マカオ居民。
1月21日には100人超の在外マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)が同じ東京経由ルートで到着しており、密接接触者1人を除いた帰郷者及び航空機の運航スタッフはホテルでの21日間の隔離検疫期間及び7日間の自己健康管理期間を満了済み。
マカオでは、2月6日に新型コロナワクチンの”初荷”として、中国医薬集団(シノファーム)の不活化ワクチン(生産地:中国・北京)の第1便(10万回分)が到着。9日から高リスク群を対象とした接種がスタートし、22日から接種対象が全マカオ居民に拡大された。高リスク群のうち、すでに接種を済ませた人の数は3700人超という。1日あたりの予約枠は5000人分用意されており、累計の接種予約者数は約1.5万人。これまでに接種後の不良反応に関する報告は入っていないとのこと。今後、マカオで就労する海外労働者などにも接種範囲が拡大される見通しだが、具体的な時期については高リスク群及びマカオ居民の接種状況によるとしている。
マカオ政府は中国医薬集団社製に加え、中国の復星医薬が代理となるドイツ・ビオンテックのmRNAワクチン(生産地:ドイツ、フランス、ベルギーのいずれか)、英国アストラゼネカのアデノウイルスベクターワクチン(生産地:米国)計140万本を確保済みで、順次到着予定となっている。なお、ワクチン接種はあくまで希望制であり、在庫がある場合は複数のワクチンの中から自由に選択できるとされている。
マカオでは、外地からの新型コロナ流入防止を目的とした厳格な入境制限は維持されているが、マカオ及び中国本土における状況が落ち着いてきたことを受け、7月中旬から両地間の往来制限に関して緩和が進んでいる。すでに、中国本土の一部の中リスク地域滞在歴がある場合を除き、新型コロナウイルス核酸検査陰性証明の取得などの条件を満たせば隔離検疫なしで往来が可能となっている。中リスク地域の指定は市中感染例の出現状況に応じて随時アップデートされ、マカオ入境前14日内に滞在歴がある場合、マカオ到着後、政府指定場所で14日間の医学観察(強制隔離検疫)を受ける必要が生じる。地域指定は社区と呼ばれる基礎行政区画など比較的細かく設定されるが、比較的広い区域や、大都市全域が対象となるような例もある。ただし、このところ中国本土で市中感染例ゼロが続いており、中リスク地域は2月23日午前0時から一旦ゼロとなる。
一方、英国で感染力の高い変異種が出現したこと、世界各地で14日間の隔離検疫後に感染が確認される例が相次いでいることなどを受け、昨年12月下旬以降、相次いで水際措置が強化されている。
具合的には、12月21日午後10時から中国本土及び台湾以外からの入境者に対する隔離検疫措置について、従来の14日間から21日間に延長。また、12月23日午前0時以降、マカオ入境前21日以内に外国に滞在歴のあるすべての中国本土、香港、台湾居民のマカオ入境が禁止に。1月21日からは、マカオ入境時の隔離検疫対象者について、隔離検疫期間満了後も自己健康追跡期間が設定された。隔離検疫期間はマカオ入境前の滞在地によって、14日間または21日間となっているが、隔離検疫期間満了後のそれぞれ少なくとも14日間、7日間が自己健康管理期間となる。自己健康管理期間満了予定日の1日前に新型コロナウイルス核酸検査を受け、その結果が陰性であれば自己健康管理措置が解かれるという。自己健康管理中は厳格な個人防疫措置を講じることが求められる。外国人の入境禁止措置も継続中。
昨年1月下旬以降、入境制限を含む厳格な防疫措置が講じられており、市民生活は不便を余儀なくされ、インバウンド旅客の激減に伴う経済への打撃も大きい。マカオ政府は水際対策と同時に、市民が1日1枚のマスクを確実に入手できるよう昨年1月下旬からマスク有償配給制度が現在まで継続実施されているほか、毎年恒例実施している市民への現金配布の前倒しや電子商品券の配布、各種中小企業支援措置といった民生、経済支援対策にも乗り出している。2月26日から27回目のマスク販売期がスタートする予定。第19回までが10日に一度だったが、第20回以降は30日間の実施となっており、30枚1組で24マカオパタカ(日本円換算:約320円)。1枚あたり単価は初回から変わっていない。現在進行中の第26回の販売枚数は約643万枚、初回からの累計は約1.8億枚に上るとのこと。