マカオ、カジノ入場時の新型コロナPCR検査陰性証明提示が不要に…場内のソーシャルディスタンス措置など継続

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは3月2日、同月3日午前0時からカジノ入場時の新型コロナウイルス核酸検査(PCR検査)(直近7日以内の検査結果)の提示を必須とする措置を撤廃すると発表。

 カジノ入場時の新型コロナ陰性証明提示を必須とする措置は、昨年(2020年)7月15日から導入されたもの。マカオと中国本土の間の往来制限が一部緩和された日にあたる。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによれば、中国本土からマカオを訪れる旅客は、(入境要件に含まれるため)マカオ入境時点ですでに直近7日以内の新型コロナ陰性証明を取得していることやカジノ周りの各種防疫措置が厳格に運用されていることに加え、中国本土における流行リスクも2月中旬以降にはっきりと下落し、すでに10日以上中リスク地域が出現せず、24日連続で市中感染例の確認がなく、今後は気候も暖かくなる見込みで、中国本土における流行状況は比較的安定的に推移すると見込まれることから、今回の決定に至ったと説明している。

 なお、カジノ入場にあたってマスクの着用、検温、有効な健康コード(衛生当局の専用サイト上で直近の滞在歴、新型コロナ患者との接触歴の有無、発熱や咳といった症状の有無、連絡先を入力して生成されるQRコード)の提示義務は維持されるとのこと。

 カジノ施設内においてもゲーミング(カジノ)テーブル間の距離の確保、テーブルゲームでは隣席を空ける対応(例えばバカラテーブルでは1テーブルに同時に着席できるのは3〜4人)、スロットマシンについても1台または2台おきの稼動と定められ、ソーシャルディスタンス確保による交差感染リスク軽減が図られている。チップ等のゲーミング用品に対する消毒も強化実施されている。これらの措置も継続される。

 陰性証明の取得には手間と費用がかかることから、マカオのカジノ入場意欲に少なからず影響を及ぼしていたとみられ、今後、入場者数回復のきっかけのひとつとなる可能性がある。

 コロナ禍に見舞われたマカオの昨年通期のカジノ売上(Gross Gaming Revenue=GGR)は前年から79.3%減の604.41億マカオパタカ(約7926億円)。ただし、中国本土との往来制限緩和が進んだことを受けて、対前年のマイナス幅は2月まで7カ月連続で縮小している。

 ここまでのマカオにおける新型コロナの感染確認数は累計48人。内訳は域外からの輸入性が46人、輸入関連性事案が2人。市中感染例は3月2日まで338日連続ゼロを維持しており、中国本土との往来制限緩和後も封じ込めに成功している状況。院内感染、死亡例についてもゼロを維持している。

 マカオでは2月9日から新型コロナワクチンの接種がスタートしており、同月22日からは接種対象は一般にも拡大されている。カジノ従事者は高リスク層に含まれ、真っ先に接種を受けることができる優先接種の対象とされた。

マカオのカジノ施設入口における検温の様子(写真:DICJ)

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