香港、3/6の新型コロナ新規感染確認数8人…2日ぶり1桁台=55歳女性がワクチン接種後に死亡例、因果関係調査へ

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府の発表によれば、3月6日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から3人減の8人だった。1桁台となるのは2日ぶりのこと。内訳は市中感染が4人減の4人、輸入性が1人増の4人。市中感染は3日連続で1桁を維持。市中感染のうち感染経路不明は2人減の2人で、7日連続で1桁台。翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)については10人超とのこと。

 近日、尖沙咀にある大型ショッピングモール「K11 MUSEA」内の中国料理レストラン「名潮食館」でのランチをきっかけにしたクラスターが発生し、規模拡大の様相を呈している。衛生当局によれば、モール内の複数店舗の従業員に感染が広がっているが、ウイルス遺伝子配列が非常に似通っているとのこと。1人の無症状感染者が2月14日前後にモールを訪れた後、名潮食館の感染源となる人物に伝播し、一気に拡大したとの見方を示した。なお、感染者の一部は喫煙習慣があり、交差感染の可能性も排除できないとのこと。モールは7日間の休業期間が明け、6日から営業を再開した。

 最近の感染確認者数は増減を繰り返しながらも第4波下では低位にあるが、依然として市内各所で集団感染(クラスター)の発生や感染連鎖が続いている状況。感染経路不明も毎日のように一定数が確認されていることから、市中に存在する無症状感染者が日常生活を送る中で感染を拡大させている可能性も指摘されている。香港は人口密度が高く、交通機関も発達しており、エリアを跨ぐ人の移動が多い土地柄。

 ここまでの香港における累計感染確認数は1万1075人、退院者数は1万0622人、死者数は202人。

 この日、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナワクチンを接種した55歳の女性が死亡したことも明らかとなった。この女性には慢性疾患があったといい、3月2日にワクチン接種を受け、5日に急性脳卒中が出現したため医療機関に搬送された後に心停止となり、救命措置が講じられたものの、6日未明に死亡が確認されたという。香港衛生当局は16日午後の記者会見で、現時点でワクチン接種との因果関係について断定はできないとし、今後詳しい資料を取り寄せた上、専門家らによる調査を実施するとした。同ワクチン接種後の死亡例は1週間内で2人目。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

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