香港、3/11の新型コロナ新規感染確認数22人…2日ぶり20人台=フィットネスセンターのクラスターが大規模化
- 2021/3/11 19:20
- 香港・大湾区
人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。
香港政府の発表によれば、3月11日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から14人増の22人だった。20人台となるのは2日ぶり。内訳は市中感染が13人増の19人、輸入性が1人増の3人。市中感染のうち感染経路不明は横ばいの3人で、12日連続で1桁台を維持している。翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)については40人超とのこと。
この日の新規感染者のうち16人が近日認知された香港島の西營盤地区にあるフィットネスセンター「Ursus Fitness」関連で、スタッフ6人と利用者10人。香港衛生当局によれば、このフィットネス関連の感染確認者と初期感染確認者の合計は50人に達するという。利用客240人が強制検疫の対象に指定された。なお、当局による施設内20ヶ所の環境サンプル調査の結果はいずれも陰性だったとのこと。すでに清掃を終えていたことが原因とみられるとした。
感染経路不明の3人のうち1人は小学生の女児。直近の登校日は9日だったとのこと。女児の通う学校は14日間の休校となり、児童全員が強制検査の対象とされた。
最近の感染確認者数は増減を繰り返しながらも第4波下では低位にあるが、依然として市内各所で集団感染(クラスター)の発生や感染連鎖が続いている状況。上述のフィットネスセンターのほか、2月下旬以降に大規模クラスター化したものとして、尖沙咀エリアにあるショッピングモール内の中国料理店の事案がある。感染経路不明も毎日のように一定数が確認されていることから、市中に存在する無症状感染者が日常生活を送る中で感染を拡大させている可能性も指摘されている。香港は人口密度が高く、交通機関も発達しており、エリアを跨ぐ人の移動が多い土地柄。
ここまでの香港における累計感染確認数は1万1151人、退院者数は1万0694人、死者数は203人。
香港では、2月26日から新型コロナワクチンの接種計画がスタート。目下、高リスク群を対象とした接種が進められているが、3月9日から対象範囲が拡大された(*別記資料参照)。中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナワクチンに加え、9日からはドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」の接種もスタートしている。いずれも2回接種が必要とされるもの。香港衛生当局によれば、ワクチン接種計画スタートから2週間が経過する中、すでに約13万0500人が1回目の接種を終えたという。
【資料】3月9日から新たに優先接種グループに加わったカテゴリー
・飲食店、市場、スーパーマーケット、コンビニエンス・ストア、配達業者(含むフード・デリバリー)の関係者
・交通機関の職員(タクシー、バス、駅員等)
・建設業関係者
・施設管理の関係者(警備員、清掃員等)
・学校教職員(幼稚園、小・中学校、大学、特別学校、スクール・バス運転手等)
・観光業関係者
・飲食店等各種施設に対する規制に関する規則(香港法令第599F章)に関連する施設の従業員(フィットネスセンター、エステティックサロン等)
*2月26日から優先接種グループに指定されているカテゴリーは保健医療及び感染症対策業務の従事者、60歳以上、老人ホーム及び障害者施設の入居者と従業員、越境運輸及び港湾業務の従事者等