マカオ、2021年2月のインバウンド旅客数は42.7万人…対前月2ヶ月連続マイナスも対前年では1.7倍
- 2021/3/22 19:32
- 産業・経済
マカオ政府統計調査局は3月22日、今年(2021年)2月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。
2月のインバウンド旅客数は前年同月から1.7倍増、前月から23.3%減の42万7122人(延べ、以下同)だった。対前月では2ヶ月連続のマイナス。宿泊を伴う旅客が前年同月から2.3倍増の24万5309人に上り、全体の57.4%を占めた。日帰り旅客についても1.2倍増。旅客の平均滞在時間は前年同月から0.9日短い1.9日に。宿泊を伴う旅客の平均滞在時間は2.2日短い3.2日、日帰り旅客は横ばいの0.1日だった。
2月のインバウンド旅客のうち国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、全体の89.1%を占める38万0649人、前年同月比では4.3倍増。このうち個人旅行客は27.0倍増の16万3157人。中国本土からの旅客の原居地別では、大湾区(グレーターベイエリア)9市が56.4%、マカオに隣接する広東省珠海市が44.2%を占めた。香港と台湾からの旅客はそれぞれ4万0037人、6410人。
マカオと中国本土における流行状況が落ち着いてきたことを受け、昨年7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明書の提示などの条件付きで14日間の隔離検疫を免除)された上、中国広東省珠海市居民及び広東省居民を対象にしたビザに相当するマカオ渡航許可(個人・団体観光旅行)の申請受付がそれぞれ8月12日、26日から再開、9月23日から中国本土全域に拡大した。これに伴い、中国本土旅客がけん引するかたちで旅客が戻りつつある状況が続いた。1月、2月と2ヶ月連続で対前月で下落した要因については、中国本土の一部エリアで市中感染が出現したことで、移動を控えるよう呼びかけがなされたことなどが考えられる。この影響は2月中旬の春節(旧正月)ホリデーまで続いたが、2月下旬時点では再び状況は落ち着きを取り戻している。対前年の急上昇要因は、新型コロナ防疫対策による水際措置が昨年1月下旬から本格的に講じられ始め、2月以降に旅客数が大幅減となった反動。
目下、中国本土を除く国・地域からのマカオ入境は厳しく制限されている状況。香港、台湾居民については、直近の滞在地、渡航歴によって分類され、入境禁止、14日間の政府指定のホテルにおける隔離検疫(費用は自己負担)、新型コロナウイルスPCR検査陰性証明書の提示を求めるなどの対応。外国人(マカオ就労ビザ保有者を含む)については原則入境禁止が維持されているが、昨年12月1日からマカオ入境前21日間以上中国本土に滞在していることや入境目的などの諸条件をクリアした上でマカオ当局へ事前入境申請ができるようになった。しかしながら、条件が厳しいことから恩恵を受ける数は限定的とみられる。
マカオの昨年(2020年)通期のインバウンド旅客数は前年から85%の大幅減となる約590万人にとどまった。マカオ政府旅遊局(MGTO)は今年のインバウンド旅客数見通しを600万〜1000万人程度としている。