マカオ、路上で「助けて」と書かれた紙片拾った通行人が警察に通報…高利貸しに監禁された男性の救出につながる

 マカオ治安警察局は4月1日、マカオ半島の中央部にある十月初五日街に面したビルの一室に監禁されていた男性を救出するとともに、この男性を監禁していたマカオ人及び中国本土出身の男2人を逮捕したと発表。

 3月29日午後、通行人が十月初五街の路上で両面に「救命(助けて)」と書かれた紙片を発見し、治安警察曲に通報。その後、治安警察局が周辺の調査を行った結果、紙片の投下元の割り出しに成功。以降、司法警察局に引き継がれ、同局の捜査員が現場へ踏み込んだという。

 警察発表によれば、被害者の男性は3月27日に1人の男(高利貸し)からカジノのバカラゲームで勝った際に20%の利息を支払うことと時価50万人民元(日本円換算:約843万円)相当の自家用車を担保とすることを条件に30万香港ドル(約427万円)分のゲーミング(カジノ)チップを借りたが、カジノゲームで6万香港ドル(約85万円)の利息を払ったものの最終的に負けて返済できなくなたため、この男にビルの一室へ連れて行かれ、今回逮捕された男2人が監視役として張り付いていたとのこと。また、監禁されている間、衣服を脱がされた上、金属棒で背中を叩かれ、その様子をスマートフォンで撮影した動画を家族に送るなどされ、隙を見て助けを求める紙片を窓から路上に向かって投げたという。

 なお、被害者に金を貸し、監禁場所へ連れて行ったとされる男は逃走中で、目下警察が行方を追っている。

 マカオではしばしばカジノ軍資金をめぐる金の貸し借りをめぐるトラブルが発生しており、高利貸しによる暴利や返済不能に陥った債務者に対する監禁など事件化するものもある。

ゲーミングチップとバカラテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

ゲーミングチップとバカラテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

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