マカオ政府、市民向け現金配布スタート…支給額は約13.7万円、14年連続実施
- 2021/4/12 17:37
- 産業・経済
世界一のカジノ売上を誇る都市として知られるマカオ。カジノ税という潤沢な財源を抱え、莫大な財政準備を誇るマカオ特別行政区政府は、インフレ対策や富の還元を理由に2008年から市民に対する現金配布を毎年実施している。
現金配布は例年7月から9月にかけて実施されるが、昨年度と今年度は新型コロナ経済対策の一環として、3ヶ月前倒し実施されることになった。
14年連続実施となる今年度の支給対象は前年末時点で有効なマカオ特別行政区永久性居民(永久居留権)及び非永久性居民(臨時居留権)IDカードの保有者(所得や年齢の条件はない)で、支給金額は前者が1万マカオパタカ(日本円換算:約13.7万円)、後者が6000マカオパタカ(約8.2万円)とした。支給額はいずれも前年から据え置き。4月12日から5月中旬にかけて銀行振込または小切手で一括支給される予定。
今年度の配布対象人数は永久性居民が約69万人、非永久性居民が4.6万人で、実施にかかる予算は72億マカオパタカ(約985億円)とのこと。
4月12日には新たな経済対策の一環として、電子決済システムを活用した消費者向けの割引プランの概要が発表された。マカオ永久性居民と非永久性居民が対象(所得や年齢の条件はない)で、1人あたり5000マカオパタカ(約6.8万円)分のスタートアップ資金をQRコード決済の個人用アカウントに付与し、消費する際に25%の割引が自動適用されるというもの。1日あたりの消費額上限は300マカオパタカ(約4100円)、割引額の累計は3000マカオパタカ(約4.1万円)まで。実施期間は2021年5月から12月までとなる。マカオ政府は前年も1人たり合計8000マカオパタカ(約10.9円)分の電子商品券を永久性居民と非永久性居民に配布している。
なお、コロナ禍でカジノ売上は低迷していることを受けて、政府は緊縮財政を敷いている。昨年度及び今年度については、財政準備の超額準備分からの拠出金によって財政赤字を埋めている状況。