マカオ、2021年3月の対外商品貿易統計公表…中国本土からのインバウンド旅客回復で輸入総額が前年同月から1.8倍増

 マカオでは世界規模の新型コロナウイルス感染症流行の影響により昨年(2020年)2月頃から経済活動の縮小が続いている。

 ただし、明るい兆しも見えつつある。マカオと中国本土における流行状況が落ち着いたことを受け、昨年7月中旬から段階的に両地の往来制限が緩和されている。同9月下旬までに中国本土からマカオへの渡航許可(ビザに相当)の申請、発給が再開されたことでインバウンド旅客が回復する中、輸入は改善傾向にある。

 マカオ政府統計調査局は4月29日、今年(2021年)3月の商品貿易統計を公表。

 今年3月の商品輸入総額は前年同月から1.8倍増となる114.2億マカオパタカ(日本円換算:約1554億円)だった。品目別では、香水、携帯電話、ゴールド製ネックレス、コスメ・スキンケア商品がそれぞれ10.9倍、8.0倍、6.7倍、5.9倍増。一方で、マスク等が含まれるその他紡績材料製品は51.6%減。貨物輸出総額は26.7%増の13.0億マカオパタカ(約177億円)。このうち、マカオ製の商品の輸出は19.0%増の1.7億マカオパタカ(約23億円)で、品目別ではペストリー、銅・銅製品がそれぞれ7.5倍、15.4%増。再輸出は28.0%増の11.4億マカオパタカ(約155億円)で、品目別では酒、腕時計がそれぞれ16.2倍、1.1倍増。3月の商品貿易赤字は101.2億マカオパタカ(約1377億円)。

 今年第1四半期(1〜3月累計)の輸出総額は前年同時期から15.1%増の34.6億マカオパタカ(約471億円)、再輸出は14.8%増の30.4億マカオパタカ(約414億円)、マカオ製の商品の輸出についても16.9%増の4.3億マカオパタカ(約59億円)。輸入総額は82.5%増の297.4億マカオパタカ(約4047億円)。商品貿易赤字は129.9億マカオパタカ(約1768億円)増の262.8億マカオパタカ(約3576億円)。

 今年第1四半期の主要輸出先内訳は、香港が21.3%増の25.8億マカオパタカ(約351億円)、中国本土が30.6%増の4.3億マカオパタカ(約59億円)、米国が20.9%増の1.3億マカオパタカ(約18億円)、EUが3.8%減の4769万マカオパタカ(約6.5億円)。品目別では、非紡績商品が22.1%増の31.4億マカオパタカ(約427億円)、紡績品・衣類は25.9%減の3.3億マカオパタカ(約45億円)。

 輸入品の原産地別では、中国本土が77.4%増の100.4億マカオパタカ(約1366億円)、EUが105.5%増の96.5億マカオパタカ(約1313億円)。輸入元別では、香港が95.3%増の245.7億マカオパタカ(約3342億円)、中国本土が40.5%増の39.4億マカオパタカ(約536億円)。品目別では、消費財が89.6%増の215.5億マカオパタカ(約2931億円)。このうち、衣料・シューズが1.1倍増の33.4億マカオパタカ(約454億円)、コスメ・スキンケア商品が1.4倍増の31.0億マカオパタカ(約422億円)、腕時計が1.7倍増の27.3億マカオパタカ(約371億円)、ハンドバッグ・財布が1.9倍増の25.7億マカオパタカ(約350億円)。また、携帯電話と建築資材についても、それぞれ3.7倍増の32.3億マカオパタカ(約439億円)、1.0倍増の6.7億マカオパタカ(約91億円)。燃料・潤滑油は6.0%減の12.2億マカオパタカ(約166億円)だった。

 今年第1四半期の対外商品貿易総額は前年同時期から72.0%増の332.0億マカオパタカ(約4516億円)。

マカオ半島中心部の町並み(資料)-2019年9月、ポンテ16にて本紙撮影

マカオ半島中心部の町並み(資料)-2019年9月、ポンテ16にて本紙撮影

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