マカオ警察、GWに向けてカジノ内外で暗躍する非合法両替商への対応を強化
- 2021/5/1 10:09
- 社会・政治
マカオ司法警察局は中国本土から多くの旅客がマカオを訪れると予想される労働節ゴールデンウィークを前にした4月30日、市内のカジノ施設内外で暗躍する「換銭党」と呼ばれる非合法両替商への対応を強化して臨むと発表。
マカオでは、新型コロナウイルス感染症防疫対策として昨年(2020年)1月下旬から水際措置が講じられ、世界的流行の拡大に伴い厳格化が進み、インバウンド旅客が激減。一方で、マカオと中国本土では早い段階で流行が落ち着いたことから、昨年7月中旬から両地の間で往来制限の緩和が進んだ。目下、新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明を提示するなど一定の条件をクリアすれば、隔離検疫免除で往来が可能な状況。マカオを訪れる中国本土旅客が戻りつつあるが、換銭党も活動を再開し、近日では偽造紙幣や「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニング用の紙幣を用いた詐欺事件もしばしば発生するなど、治安リスクが生じている。マカオ保安当局は換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置づけている。
マカオのカジノでは、チップとの交換に香港ドルを用いるのが一般的となっており、人民元と香港ドルの両替需要が存在する。
マカオ司法警察局では、労働節ゴールデンウィーク期間中にかけて、カジノ施設内外における換銭党対策の巡回強化とともに、カジノ施設とカジノを併設するホテルにおいて旅客向けの啓蒙活動を行うことで、詐欺被害を未然に防ぎ、安心してマカオ旅行を楽しめる環境作りを進めるとしている。
また、同局は4月30日には捜査員24人を動員してコタイ地区の大型IR(統合型リゾート)周辺及び付設のカジノ施設において一斉取り締まりを実施。非合法両替に従事していたとして中国本土出身の男女30人の身柄を拘束。入管当局へ引き渡したとのこと。