マカオの銀行における国際業務割合が上昇に転じる…2021年1Q

 マカオ金融管理局は5月18日、今年第1四半期(2021年1〜3月)のマカオ国際性銀行業務統計を公表。

 今年3月末におけるマカオの銀行システム総資産に占める国際資産の割合は昨年12月末から0.4ポイント上昇の85.5%で、2四半期ぶりに拡大。国際負債の割合は0.3ポイント上昇の82.6%。

 外貨はマカオの国際銀行業務における主要取引単位となっている。今年3月末における国際銀行資産と負債に占めるマカオパタカの割合はいずれも0.6%。香港ドル、米ドル、人民元、その他外貨の国際資産に占める割合は33.2%、44.7%、16.8%、4.7%、国際負債に占める割合は40.7%、40.8%、13.8%、4.1%。

 今年3月末におけるマカオの銀行の国際資産総額は、昨年12月末から5.9%、前年同時期から10.0%のそれぞれ増となる2兆0014億マカオパタカ(日本円換算:約27兆3138億円)。このうち、対外資産は前年の同じ時期から11.2%増の1兆5267億マカオパタカ(約20兆8354億円)、マカオにおける外貨資産は6.1%増の4747億マカオパタカ(約6兆4785億円)。国際資産の主要構成要素である外地におけるノンバンクローンは16.1%増の7058億マカオパタカ(約9兆6324億円)。

 今年3月末におけるマカオの銀行の国際負債総額は、昨年12月末から5.7%、前年同時期から10.1%のそれぞれ増となる1兆9323億マカオパタカ(約26兆3711億円)。このうち、対外負債は前年の同じ時期から16.5%増となる1兆0962億マカオパタカ(約14兆9604億円)、マカオにおける外貨負債は2.8%増の8361億マカオパタカ(約11兆4107億円)。マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)及びマカオ特別行政区政府による各種外貨預金が国際負債の主要な構成要素となっており、今年3月末における残高は前年同時期から0.6%増の7065億マカオパタカ(約9兆6420億円)。

 マカオの国際銀行業務は主にアジア及びヨーロッパに分布している。今年3月末におけるマカオの銀行システムの対外資産のうち、対中国本土及び香港の債権が占める割合が42.8%、26.6%を占め、ポルトガル及びドイツは1.0%及び0.9%、ポルトガル語圏諸国及び「一帯一路」周辺国家が1.4%及び8.1%。対外負債全体に占める対香港及び中国本土の割合は39.5%及び32.8%、英国及びフランスが5.3%及び4.7%、ポルトガル語圏諸国及び「一帯一路」周辺国家が0.8%、8.2%。

 マカオ国際性銀行業務統計は国際決済銀行(BIS)が提唱する方法で作成されたもの。

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

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