マカオでインド由来の新型コロナ変異株「B.1.617」初確認…ネパール滞在歴ある輸入性患者が感染

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは5月26日、同月24日にマカオで51人目の感染確認例(輸入性無症状事案)となった男性患者(39)について、検査の結果、インド由来の変異株ウイルス「B.1.617」に感染していることが判明したと発表。

 同センターでは、この変異株がマカオで確認されたのは初めてのこととし、マカオにおける新型コロナ感染リスクが依然として存在していることを示しており、市民に対して速やかにワクチンを接種するよう呼びかけた。

 マカオ政府衛生局が明らかにした患者の行動歴によれば、患者はこの変異株ウイルスが流入しているネパールに滞在歴があった。

 なお、患者は今年(2021年)2月11日及び3月11日にマカオで新型コロナワクチン(中国シノファーム製の不活化ワクチン)を2回接種済みだった。同センターは、2回目のワクチン接種後2週間以内の場合、十分な免疫を獲得できないこともあるとした上、患者は無症状であり、ワクチンに一定の保護力があることを示しているとの見方を示した。

 マカオでは、厳格な水際措置が維持される中、市中感染例は5月26日まで423日連続ゼロを維持しており、封じ込めに成功している状況。院内感染、死亡例についてもゼロ。マカオではすでにワクチン接種の門戸が広く開かれているが、切迫性がないことなどから接種率は1割台前半にとどまっている。マカオ政府は接種率向上に向けて、ワクチン2回接種を条件に防疫措置上の優遇策(大規模イベント等の参加者に対するPCR検査陰性証明提出の一部免除等)を発表したほか、事前予約なしの接種も受け付ける大規模接種ステーションの開設や、接種対応医療機関の拡充、大学や大企業等への出張接種展開などの策を講じている。

新型コロナウイルスワクチン接種を受けるマカオ居民(資料)=2021年2月22日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

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