マカオ、2021年4月の対外商品貿易統計公表…輸入総額は前月から2割増、インバウンド旅客回復で

 マカオでは世界規模の新型コロナウイルス感染症流行の影響により昨年(2020年)2月頃から経済活動の縮小が続いている。

 ただし、明るい兆しも見えつつある。マカオと中国本土における流行状況が落ち着いたことを受け、昨年7月中旬から段階的に両地の往来制限が緩和されている。同年9月下旬までに中国本土からマカオへの渡航許可(ビザに相当)の申請、発給が再開されたことでインバウンド旅客が回復する中、輸入に顕著な改善傾向が見受けられる。

 マカオ政府統計調査局は5月31日、今年(2021年)4月の商品貿易統計を公表。

 今年4月の商品輸入総額は前月から20.3%増、前年同月から2.7倍増となる137.4億マカオパタカ(日本円換算:約1888億円)だった。品目別では、ゴールド製ネックレス、香水、ハンドバッグ・財布、コスメ・スキンケア商品がそれぞれ前年同月から48.1倍、14.0倍、11.7倍、11.4倍増。一方で、マスク等が含まれるその他紡績材料製品は56.2%減。貨物輸出総額は前月比18.4%減、前年同月比71.9%増の13.0億マカオパタカ(約179億円)。このうち、マカオ製の商品の輸出は82.4%増の1.5億マカオパタカ(約21億円)で、品目別では衣類、銅・銅製品がそれぞれ3.3倍、20.7%増。再輸出は70.2%増の9.1億マカオパタカ(約125億円)で、品目別では腕時計、酒、ダイヤモンド・ダイヤモンド製ネックレスがそれぞれ5.1倍、3.8倍、1.2倍増。4月の商品貿易赤字は126.8億マカオパタカ(約1742億円)。

 今年1〜4月累計の輸出総額は前年同時期から24.8%増の45.2億マカオパタカ(約621億円)、再輸出は24.1%増の39.4億マカオパタカ(約541億円)、マカオ製の商品の輸出についても29.2%増の5.8億マカオパタカ(約80億円)。輸入総額は116.6%増の434.3億マカオパタカ(約5967億円)。商品貿易赤字は224.8億マカオパタカ(約3089億円)増の389.1億マカオパタカ(約5346億円)。

 今年1〜4月の主要輸出先内訳は、香港が31.2%増の33.2億マカオパタカ(約456億円)、中国本土が20.6%増の5.8億マカオパタカ(約80億円)、米国が50.4%増の1.9億マカオパタカ(約26億円)、EUが4.7%増の6104万マカオパタカ(約8.4億円)。品目別では、非紡績商品が32.7%増の40.8億マカオパタカ(約561億円)、紡績品・衣類は19.5%減の4.4億マカオパタカ(約60億円)。

 輸入品の原産地別では、EUが156.7%増の141.3億マカオパタカ(約1941億円)、中国本土が95.1%増の140.5億マカオパタカ(約1930億円)。輸入元別では、香港が137.5%増の365.1億マカオパタカ(約5016億円)、中国本土が42.8%増の51.7億マカオパタカ(約710億円)。品目別では、消費財が133.1%増の316.5億マカオパタカ(約4349億円)。このうち、コスメ・スキンケア商品が2.7倍増の55.8億マカオパタカ(約767億円)、ハンドバッグ・財布が2.7倍増の35.4億マカオパタカ(約486億円)、ゴールド製ネックレスが2.7倍増の32.6億マカオパタカ(約448億円)、腕時計が2.5倍増の40.1億マカオパタカ(約551億円)。また、携帯電話と建築資材についても、それぞれ4.4倍増の45.8億マカオパタカ(約629億円)、1.2倍増の10.7億マカオパタカ(約147億円)。燃料・潤滑油は0.3%増の16.3億マカオパタカ(約224億円)だった。

 今年1〜4月の対外商品貿易総額は前年同時期から102.5%増の479.5億マカオパタカ(約6589億円)。

マカオ半島中心部の町並み(資料)-2019年9月、ポンテ16にて本紙撮影

マカオ半島中心部の町並み(資料)-2019年9月、ポンテ16にて本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は9月5日、マカオで無資格にも関わらず薬剤の注射による美容医療行為に従事したとし…
  2.  マカオ政府統計・センサス局は9月6日、今年(2024年)5〜7月期の住宅価格指数を公表。 …
  3.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  4.  マカオの多くのカジノ施設が航空会社のマイレージ制度と似た会員プログラムを提供しており、入会するこ…
  5.  マカオ司法警察局は9月5日、マカオの高齢者を狙った特殊詐欺(電話詐欺)事案に関与したとして20代…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun