人口約750万人の香港では、昨年（2020年）11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、政府が5月29日に終息との見方を示した。

　しかしながら、6月5日に第4波終息後初めてとなる市中感染例（感染経路不明）が確認された。患者は海外渡航歴がなく現地の学校に通う女子高生（17）。6日には患者の母親（53）についても感染確認されており、いずれもN501Y変異株だった。

　香港政府の発表によれば、6月7日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は7人だったとのこと。内訳は輸入性（海外からの入境者）が6人、市中感染が1人。

　市中感染の1人は、5日に感染確認された患者の姉（20）で、妹、母と同じくN501Y変異株感染だった。6月4日に咳や鼻水、下痢の症状が出現したという。

　目下、3人の立ち寄り先に居合わせた人に対する強制ウイルス検査が進められている。行動範囲が広かったことから、かなり規模の大きなものとなっているが、これまでのところ新たな陽性者は出ていない模様だ。

　このほか、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群（初歩感染確認者）は5人以下という。

　香港における過去14日間（5月24日〜6月6日）累計の新規感染確認は26人で、輸入性事案が24人、市中感染例が2人（うち感染経路不明は1人）。ここまでの累計感染確認数は1万1866人（擬似事案1人含む）。

　香港の6月6日時点のワクチン接種率は23.3%（1回目の接種完了）、16.9%（2回目の接種完了）となっている。累計接種回数は263万7524回、1日あたり接種回数は3万9319回（7日移動平均値3万9072回）。

香港のイメージ＝香港島・中環にて本紙撮影