香港、17日ぶり新型コロナ市中感染確認…患者は空港内業務に従事、感染経路不明のデルタ変異株感染例=6/24
- 2021/6/24 19:55
- 香港・大湾区
人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、政府が5月29日に終息との見方を示した。
香港政府の発表によれば、6月24日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は7人だったとのこと。内訳は6人が海外からの入境者で輸入性の事案、市中感染確認が1人。香港における市中感染確認例の出現は17日ぶり。
市中感染確認された患者は香港航空関連会社のグランドサービススタッフとして香港国際空港内で勤務している男性(27)で、感染経路は不明、インドで最初に見つかった変異株「デルタ株」が検出されたという。6月20日に発熱、喉の痛み、咳などの症状が出現したことから同日自宅近くのクリニックを受診し、23日に初歩感染確認されたもの。
患者は香港国際空港の旅客ターミナルビルで同空港に到着する貨物便のクルーに対する検査業務に従事。前週、マレーシア、ベトナム、台湾、インド、中国本土、フィリピン、シンガポールから到着した計9便のクルーとの接触があったが、クルーの大半は新型コロナワクチン接種歴があり、会話を交わす機会もごくわずかだったとのこと。
これまでのところ家族や職場の同僚など、密接接触者のウイルス検査結果はすべて陰性。23日には新界・大埔エリアにある患者の自宅マンション周辺を局地ロックダウンの上で区域内の住民約2100人に対するウイルス検査も行われたが、こちらもすべて陰性だったという。今後、再検査も実施される予定。
香港における過去14日間(6月10〜23日)累計の新規感染確認は26人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万1906人(擬似事案1人含む)。
なお、香港の6月23日午後8時時点のワクチン接種率は29.8%(1回目の接種完了)、19.4%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は334万8198回、1日あたり接種回数は4万0591回(7日移動平均値4万3771回)。
このほか、6月21日に香港における市中感染確認ゼロ14日間を達成したことを受け、すでに440日以上にわたって市中感染ゼロが続くマカオとの往来制限緩和に関する協議が両政府間で正式にスタートした。香港の市中感染ゼロが28日にわたって維持できれば条件付きで隔離検疫なしでの両地の往来が再開するとされ、早ければ7月2週目頭にも実現する見通しだったが、香港で新たな市中感染確認があったことを受け、先送りとなる公算。