人口約750万人の香港では、昨年（2020年）11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、政府が5月29日に終息との見方を示した。

　6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日には検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人の輸入関連性感染確認例（いずれも当初市中感染例とされたが輸入例との関連性確認後に変更）があった。

　香港政府の発表によれば、7月10日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は1人で、輸入性（海外からの入境者）の事案だったとのこと。市中感染確認は33日連続ゼロを維持した。

　輸入性の患者は英国から香港へ到着した男性（16）。無症状で、ウイルス量が少ないため変異株感染の有無を調べる検査ができない状況とのこと。

　翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群（初歩感染確認者）は5人以下という。

　香港における過去14日間（6月26日〜7月9日）累計の新規感染確認は40人で、内訳は輸入性が38人、輸入関連性が2人。ここまでの累計感染確認数は1万1951人（擬似事案1人含む）。

　香港の7月9日午後8時時点のワクチン接種率は37.4%（1回目の接種完了）、25.5%（2回目の接種完了）となっている。累計接種回数は427万7273回、1日あたり接種回数は7万0010回（7日移動平均値6万1458回）。単日の接種回数は2月にワクチン接種がスタートして以来の最多記録を更新。香港政府公務員事務局の聶徳権（パトリック・ニップ）局長は、この勢いを維持できれば、免疫の壁を構築するために必要な接種率70%は遠くないとの見方を示した。

　6月21日に香港における市中感染確認ゼロ14日間を達成したことを受け、すでに450日以上にわたって市中感染ゼロが続くマカオとの往来制限緩和に関する協議が両政府間で正式にスタートした。現時点で具体的なスケジュール及び詳細条件は未発表ではあるものの、香港の感染経路不明の市中感染ゼロが14日にわたって維持できれば条件付きで隔離検疫なしでの両地の往来が実現するとされている。直近で確認された輸入関連性事案の患者は市中で見つかったことから、純粋な市中感染確認ゼロで計算すれば、実現は早くても翌週末以降になりそうだ。

香港のイメージ＝香港島・中環にて本紙撮影