IR運営メルコリゾーツが2021年2Q未監査決算発表…観光客増で業績改善、日本含む世界各地の開発計画にコミット継続

 マカオを中心にアジア、ヨーロッパで統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エンターテインメント・リミテッドは7月27日、未監査の2021年第2四半期(4〜6月)の決算を発表。

 同社の2021年第2四半期の営業総収入は前年同時期から約222%増となる5億6640万米ドル(日本円換算:約622億円)。営業総収入増の主要因として、海外からの観光客の増加によって、すべてのゲーミング(カジノ)部門及びノンゲーミング事業の業績が改善したことを挙げた。

 営業損失は1億2810万米ドル(約141億円)で、前年同期の3億7080万米ドル(約407億円)の営業損失から大きく改善した。

 前年同期は1億5630万米ドル(約172億円)のマイナスだった調整後プロパティEBITDAは7910万米ドル(約87億円)のプラスに。

 純損失は1億8570万米ドル(約204億円)で、こちらも前年同期の3億6810万米ドル(約404億円)の純損失から大きく改善。2021年第2四半期における非支配株主に帰属する純損失は3480万米ドル(約38億円)、前年同期の非支配株主に帰属する純損失は5870万米ドル(約64億円)で、すべてスタジオ・シティ、シティ・オブ・ドリームス マニラ及びキプロスにおける営業に関連するもの。

メルコリゾーツ&エンターテインメント社の旗艦IR施設「シティ・オブ・ドリームス マカオ」(資料)

メルコリゾーツ&エンターテインメント社の旗艦IR施設「シティ・オブ・ドリームス マカオ」(資料)

 2021年第2四半期の決算発表にあたり、メルコリゾーツのローレンス・ホー会長兼最高経営責任者(CEO)が発表したコメントは以下の通り。

「2021年第2四半期当社における統合型リゾートでの業績水準が、新型コロナウイルス感染症のパンデミック及びそれに関連する移動規制により私どもが直面している困難にも関わらず、漸進的に回復していることをとても嬉しく思います。マス市場とプレミアム・マス市場が本四半期における回復の主な要因となってきただけでなく、当社はマーケットにおけるこれらの部門への資源を投入し続けていくことから、今後もこの部門が回復への主な原動力となると期待されています。特に、マカオが、グレイター・ベイ・エリア加盟市との間のより柔軟な移動のためのシナリオを模索していることから、当社は今後の当社のマカオ市場での見通しについて引き続き楽観的です。」

「マカオ特別行政区が実施している、境界の再開放に向けた慎重な施策と、経済を後押しし現地の雇用をサポートするためのスキームを当社は称賛します。この点について、当社は、マカオの持続可能な発展と経済の再生に貢献すべく、現地の中小企業パートナーと手を取り合う一方で、当社の社員やお客様の安全確保のため、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策を最優先事項とすることを継続いたします。政府の尽力により、我々は幸運にもワクチンを直ちに摂取できる状況となっています。社員、ゲスト、そしてコミュニティのための安全な環境を確保するという当社の重要な目標として、社員に免疫を獲得させることにより、当社はコミュニティ一体のワクチン接種に向けた政府の取り組みをサポートしています。当社は、”Get the Jab”という、当社の社員が完全にワクチン接種を終えられるよう推進するための特別なプログラムに対して、1600万マカオパタカ(約2.2億円)近い資金を充てています。現在までに、当社のマカオ及び香港の社員のうちほぼ65%がワクチン接種を終えています。」

「当社は、マカオや諸外国における投資計画にコミットし続けていきます。マカオでのスタジオ・シティの拡張工事は順調に進んでいます。5月には、マカオ政府が、スタジオ・シティ フェーズ2の開発工事期間の2022年12月27日までの延長を認めました。スタジオ・シティ・フェーズ2では、約900室の新たな高級客室とスイートルーム、世界で最大の室内/室外ウォーターパークの一つとなるシネプレックス、高級ダイニングレストラン、そして最新のMICEスペースが提供されます。2021年5月22日に、スタジオ・シティ・ウォーターパークが正式に開業し、地域の中で最もエキサイティングな水のアドベンチャーの1つへとゲストをお迎えしております。シティ・オブ・ドリームス マカオにおいては、施設のアップグレード作業が進行中であり、カウントダウンが全面的な改装のため2021年3月末で休業した一方、モーフィアスではスイートルーム及びゲストルームの数を増設しています。新たに改装されたヌワ・タワーは、2021年3月末に営業を再開いたしました。

2021年6月及び7月には、メルコ・リゾーツ・ファイナンスとスタジオ・シティ・ファイナンスは、Chongwa (Macao) Financial Asset Exchange Co., Limited(以下「MOX」)への、総額22億5000万米ドル(約2471億円)の優先債券の上場に成功しました。メルコは、経済を多様化させるマカオ特別行政区の計画のサポートにコミットし、これらの債券の上場が、マカオの債券市場及び金融プラットフォームの発展に貢献することを望んでいます。これらの債券はかつてシンガポールの取引所に上場されていましたが、現在はシンガポールとマカオの取引所の双方に複数上場しています。

ヨーロッパにおいては、シティ・オブ・ドリームス メディテレーニアンの開発が、2022年夏の開業を目指して継続しています。本プロジェクトは、完成すれば約500室のラグジュアリーな客室、約1万平方メートルのMICEスペース、屋外の円形演技場、ファミリー向けのアドベンチャーパーク、及び多種の高級料理店や高級小売店を備えたヨーロッパ最大の統合型リゾートとなります。」

「日本については、世界に類を見ない統合型リゾートをこの国に生み出すことに対して当社はコミットし続け、またパートナーたちとともに積極的に力を注いでいるこの市場での機会を追及し続けています。新型コロナウイルス感染症は、日本において、手続きのタイミングや移動の観点から引き続き困難をもたらし続けていますが、日本の統合型リゾート産業の発展は前進し続けています。当社は、日本が世界的にみて最も潜在性のある新たなゲーミング市場であり、当社の資産のクオリティとプレミアム部門への集中が日本の観光業の発展に非常に合致したものであると確信しています。当社は、忍耐強くあり続け、日本を含めた全ての開発事業において、当社の規律の取れたアプローチを維持し続けます。」

「我が社のサステナビリティ戦略は、運営上の一つの重要な柱です。当社は2020年サステナビリティレポート‐Above & Beyondを5月に公表しました。当社は、カーボンニュートラル、地域のコミュニティへのインスピレーション、サプライチェーンのサステナビリティの向上、そして高い倫理基準の強化に向けた当社の前進を誇りをもって強調いたします。」

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