香港、59日ぶりに新型コロナ市中感染確認…これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例か=8/5

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、政府が5月29日に終息との見方を示した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日には検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)があった。

 香港政府の発表によれば、8月5日午前0時時点集計の単日(8月4日)の新規感染確認数は6人で、市中ケースが1人(感染経路不明)、輸入性(海外からの入境者)ケースが5人とのこと。香港域内で市中感染確認例が出現するのは実に59日ぶりとなる。

 市中ケースの患者は九龍・深水ポ地区に居住する建設作業員の男性(43)で、ワクチン未接種、無症状。流行第4波において建設作業員の間でクラスターが多く発生したため、患者は今年3月から現在に至るまで定期ウイルス検査対象となっており、5月以降は2週間に一度の頻度で検査を受けていたという。この一環として8月2日に提出した唾液サンプルから初歩陽性反応が出たことで感染確認に至ったもの。ただし、C値が36〜38、入院後の抗体検査で陽性反応が出ており、香港衛生当局はこれまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例とみられるとした。

 市中ケースの出現を受け、患者の住居、作業場所、潜伏期間中の立ち寄り先などが強制ウイルス検査の対象とされた。患者は8月3日まで香港島・灣仔にある工事現場に出勤していたという。

 輸入性の患者5人はアイルランド、カンボジア、米国、タイ、ロシアからの入境者。うち3人がL452R、1人がN501Y変異株感染。また、2人が香港で「コミナティ」(日本でファイザーと呼ばれているもの)、1人がカンボジアでアストラゼネカ製の新型コロナワクチンを2回接種済みだったと。

 翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は5人以下という。

 香港における過去14日間(7月22日〜8月4日)累計の新規感染確認は26人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2003人(擬似事案1人含む)。

 香港の8月4日午後8時時点のワクチン接種率は49.5%(1回目の接種完了)、37.6%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は592万2273回、1日あたり接種回数は6万5290回(7日移動平均値6万5350回)。9月末までに政府が免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割を突破できる見通し。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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