マカオ、2021年7月のホテル客室稼働率は63.7%…2ヶ月ぶりプラス、新型コロナ流行後の最高を更新

 マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした大規模イベントが数多く開催されるアジア有数の国際観光都市として知られる。

 マカオの年間訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)は一昨年(2019年)には延べ(以下同)3940万6181人に上ったが、昨年(2020年)は対前年85.0%減の589万6848人にとどまった。昨年1月下旬から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防疫対策の一環として入境制限を含む厳格な水際措置が講じられていることが主要因。ただし、マカオと中国本土における流行状況が落ち着いてきたことを受け、昨年第4四半期以降は中国本土との往来制限の緩和が進み、新型コロナウイルスPCR検査陰性証明書の提示などの条件付きで隔離検疫が免除となったことから、インバウンド旅客が回復傾向にある。しかしながら、今年5月下旬から6月下旬にかけてマカオと隣接する広東省で、7月下旬から直近にかけて中国本土の各地で再流行が出現。それぞれ約1ヶ月間で沈静化したが、マカオでは流入防止のため一時的に水際措置が強化されたため、インバウンド旅客数にマイナス影響が生じた。

 今年7月のインバウンド旅客数は前年同月から9.7倍増、前月から49.4%増の78万9407人だった。対前月では2ヶ月ぶりのプラス。

 マカオ政府統計調査局は8月30日、今年7月のホテル宿泊客関連統計を公表。同月の平均ホテル客室稼働率(新型コロナの影響で一時休業中及び隔離検疫用ホテルの客室分は含まず、以下同)は63.7%で、前年同月から51.6ポイント(pt)上昇、対前月でも18.4pt上昇となり2ヶ月ぶりのプラスに。5月の62.0%を上回り、新型コロナの影響が生じて以降の最高を更新した。

 ホテル等級別では、5つ星が前年同月から55.8pt上昇の63.6%、4つ星が47.6pt上昇の65.9%、3つ星が48.7pt上昇の69.3%、2つ星ホテルが28.2pt上昇の45.6%、ペンサオン(ゲストハウス)が19.2pt上昇の43.0%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が1.0%減、4つ星ホテルが4.1%増、3つ星ホテルが6.2%増、2つ星ホテルが21.7%増、ペンサオンが16.8%増だった点も考慮する必要がある。

 今年7月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同時期から3軒増の117軒、供給客室数は2.0%増の3.56万室あり、このうち5つ星ホテルが1軒減の33軒で、供給客室数は全体の61.0%を占める2.17万室。

 今年7月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月から3.6倍増の69.7万人。中国本土旅客は9.0倍増となる55.6万人だった。地元のマカオ客も31.1%増の10.7万人で、ステイケーション需要とみられる。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から横ばいの1.7日。

 今年1〜7月累計の平均ホテル客室稼働率は前年同時期から27.3pt上昇の52.3%、ホテル宿泊者数は1.1倍増の407.5万人。ホテル宿泊客の平均滞在時間は横ばいの1.7日。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2020年7月本紙撮影

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