マカオ、内装工クラスターの感染源特定…2週間前発生の隔離検疫用ホテル警備員クラスターと関連、各1人がバスに乗り合わせる
- 2021/10/6 10:39
- 社会・政治
マカオでは、約490日にわたって新型コロナの市中感染確認例ゼロを維持してきたが、8月初旬に出現して以降、感染力が強いとされる変異株(デルタ株)の連鎖的な市中感染確認が相次いでいる。
直近では、10月4日午前から5日午前にかけて、マカオ半島北部の高士徳エリアにある内装工事現場に出入りしていた内装工4人の感染確認が相次ぎ、感染経路不明とされた。本件について、衛生当局がウイルスゲノム解析及び疫学調査を進めた結果が、5日夕方の政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる記者会見で明らかにされた。
約2週間前の9月24日午後から28日午後にかけて、タイパ島のマカオ国際空港近くにある隔離検疫用ホテルの警備員6人が相次いで感染確認される事案があった。一部の警備員がマスクを正しく着用せずに隔離検疫中に感染確認されたトルコからの入境者(18日入境、24日午前感染確認)と接触したことで感染し、更衣室で他の警備員に伝播したものとみられる。
政府新型コロナウイルス感染症対策センターによれば、ウイルスゲノム解析の結果、内装工クラスターの患者4人と隔離検疫用ホテルクラスターの6人はいずれも100%相似のデルタ株感染で、感染源が同じであることが特定できたとのこと。また、疫学調査の結果、両グループの各1人が9月24日に同じ路線バスに14分間乗り合わせ、車内カメラの映像から位置が近く、同じ手すりを掴んでいたという接点の存在が判明したという。
マカオでは、10月4日午後9時から72時間にわたって三度目となる全市民対象PCR検査が実施されている。6日午前9時までに50万0802人の検体を採取し、うち40万4898人分の結果が判明済みで、すべて陰性だったとのこと。政府は、48時間以内の検査完了を目標として掲げ、市民に対して早めに検査を受けるよう呼びかけている。
なお、南京空港クラスター波及事案による一家4人の市中感染確認があった8月初旬、隔離検疫用ホテル警備員クラスターが発生した直後の9月下旬にも二度にわたって全市民対象PCR検査が実施され、いずれも結果は全員陰性だった。
マカオの人口は約68万人。これまでの累計感染確認者数は輸入性を含めて75人で、市中における大規模な伝播は出現していない。