中国本土、新型コロナ新規市中感染確認38人…甘肅省と内モンゴル自治区で大半=10/22

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 最近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港で感染力の強いデルタ株のクラスターが発生して各地へ波及するなどの事案があり、9月上旬には福建省の一部でデルタ株の市中における伝播が出現、同月下旬には黒竜江省ハルビン市でもデルタ株の市中感染確認例が出現した。さらに、近日は内陸部を訪れた観光客をきっかけとした伝播の拡大が続く状況。

 中国の国家衛生健康委員会が10月23日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、22日の中国本土における新規市中感染確認は38人(前日から10人増)だったとのこと。内訳は、甘肅省17人(蘭州市13人、張掖市2人、嘉峪関市1人)、内モンゴル自治区11人(アルシャー盟9人、シリンゴル盟2人)、北京市6人(昌平区)、寧夏回族自治区3人(呉忠市2人、銀川市1人)、雲南省1人(徳宏タイ族チンポー族自治州)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは7日連続となった。市中の無症状感染例についても8日連続で出現し、貴州省2人(遵義市)、雲南省2人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、寧夏回族自治区2人(銀川市1人、呉忠市1人)の計6人だったという。

 近日、内陸部における感染の連鎖が相次いでいる状況で、デルタ株によるものとみられる。甘肅省、内モンゴル自治区など内陸部をレンタカーでドライブしていた観光客がきっかけで拡散した可能性が指摘されており、これまでに少なくとも10の省区市に波及。感染確認された人、その密接接触者と同じレストランや交通機関を利用して感染する例も多く報告されている。影響が各地へ及ぶ中、今後の情勢の変化が気がかりだ。

 10月22日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は549人(うち輸入性が414人)で、重症者は7人(輸入性1人)。無症状の患者385人(輸入性354人)が医学観察下にあるという。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。今年5月下旬に広東省で発生した大規模再流行、7月下旬に南京空港で発生したクラスターに端を発し10を超える省市とマカオへ波及した再流行、9月上旬に福建省のホ田市からアモイ市など省内の大都市に波及した約470人規模の再流行、9月下旬に黒竜江省ハルビン市を中心に出現した約90人規模の再流行についてもデルタ株によるものだが、それぞれ約1ヶ月で封じ込めに成功した実績がある。9月の福建省と黒竜江省のケースは、いずれも一部地域にとどまり、省外への拡散は確認されていない。

 このほか、マカオ特別行政区では22日まで13日連続市中感染確認例ゼロを維持、香港特別行政区では同14日連続ゼロを達成した。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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