2020年の対マカオ直接投資は8000億円超の流出…コロナ禍カジノ業不振で

 マカオ政府統計調査局が10月29日に発表した昨年(2020年)の直接投資統計によれば、同年の海外(中国本土、香港、台湾含む)からマカオへの直接投資は574.8億マカオパタカ(日本円換算:約8116億円)の流出だった。

 流出の主要因はゲーミング(カジノ)企業の不振(赤字)によるもの。同年、コロナ禍インバウンド旅客大幅減により、マカオのカジノ売上は苦戦を余儀なくされた。投資元の所在国・地域別では英領ヴァージン諸島、ケイマン諸島、香港からがいずれも流出となり、流出額はそれぞれ433.8億マカオパタカ(約6125億円)、109.4億マカオパタカ(約1545億円)、75.9億マカオパタカ(約1072億円)。

 2020年末時点までの対マカオ累計直接投資総額は前年から14.5%減の3002.0億マカオパタカ(約4兆2389億円)。投資元の国・地域別では、香港とケイマン諸島の両地からが最大だが、それぞれ5.3%減の840.6億マカオパタカ(約1兆1870億円)、12.9%減の697.4億マカオパタカ(約9847億円)に。また、中国本土と英領ヴァージン諸島からについても、それぞれ0.7%減の587.7億マカオパタカ(約8298億円)、47.6%減の479.4億マカオパタカ(約6769億円)。業種別では、金融業が4.6%増の868.8億マカオパタカ(約1兆2268億円)だった一方、ゲーミング(カジノ)業は30.1%減の1267.7億マカオパタカ(約1兆7900億円)に。

 2020年のマカオ企業による在外直接投資は34.6%増の94.4億マカオパタカ(約1333億円)。中国本土における投資が160.0%増の123.6億マカオパタカ(約1745億円)に上った。2020年末時点までの累計は前年から21.6%増の698.9億マカオパタカ(約9869億円)で、主な投資先は中国本土と香港。中国本土は612.9億マカオパタカ(約8654億円)で、うち広東省が77.6%を占めた。広東省内では横琴が64.6%増の278.6億マカオパタカ(約3934億円)。投資元のマカオにおける業種別では、不動産開発・賃貸販売業が67.0%増の272.7億マカオパタカ(約3851億円)、ホールセール・リテール業が14.2%増の123.6億マカオパタカ(約1745億円)。

 直接投資統計は工業、建設業、ホールセール・リテール業、ホテル・飲食業、運輸・倉庫・通信業、金融業、ゲーミング(カジノ)業、不動産開発・賃貸販売業等に属するマカオ企業が対象で、個人は含まれない。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2020年7月本紙撮影

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