中国本土の新型コロナ新規市中感染確認は9省区で59人…各地で散発的再流行続く=10/31

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 最近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港で感染力の強いデルタ株のクラスターが発生して各地へ波及するなどの事案があり、9月上旬には福建省の一部でデルタ株の市中における伝播が出現、同月下旬には黒竜江省ハルビン市でもデルタ株の市中感染確認例が出現した。さらに、10月中旬以降は内陸部のシルクロード観光エリア一帯を訪れた国内団体旅行客の移動をきっかけとした伝播、黒竜江省黒河市を中心に新たな市中感染の広がりが出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が11月1日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、10月31日の中国本土における新規市中感染確認は59人(前日から11人増)だったとのこと。内訳は、黒竜江省27人(黒河市25人、ハルビン市2人)、甘肅省10人(蘭州市5人、天水市5人)、河北省9人(石家庄市7人、保定市2人)、内モンゴル自治区6人(アルシャー盟5人、シリンゴル盟1人)、寧夏回族自治区3人(銀川市)、浙江省1人(杭州市)、江西省1人(九江市)、山東省1人(日照市)、青海省1人(西寧市)。このうち河北省の3人は無症状感染から感染確認に転じたもの。中国本土で市中感染確認例が出現するのは16日連続。市中の無症状感染例についても17日連続で出現し、江西省4人(上饒市)、雲南省3人(徳宏タイ族チンポー族自治州)の計7人だったという。

 10月31日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は869人(うち輸入性が386人)で、重症者は33人(輸入性ゼロ)。無症状の患者398人(輸入性351人)が医学観察下にあるという。

 10月中旬以降、中国本土の多くの地域で市中感染例が散発している状況。内モンゴル自治区及び甘肅省を中心としたシルクロード観光地関連では、感染者の多くが観光のためエリアを跨いで移動していたこと、感染力の強いデルタ株であることから、省区を越えて波及し、累計感染者数は350人超に上る。黒竜江省黒河市で10月27日に最初の感染確認例が出現した事案については、ハルビン市にも波及し、新たな感染確認例が相次いでいるが、疫学調査及びウイルスゲノム解析から、シルクロード観光地を発端との関連性はないとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。今年5月下旬に広東省で発生した大規模再流行、7月下旬に南京空港で発生したクラスターに端を発し10を超える省市とマカオへ波及した再流行、9月上旬に福建省のホ田市からアモイ市など省内の大都市に波及した約470人規模の再流行、9月下旬に黒竜江省ハルビン市を中心に出現した約90人規模の再流行についてもデルタ株によるものだが、それぞれ約1ヶ月で封じ込めに成功した実績がある。9月の福建省と黒竜江省のケースは、いずれも一部地域にとどまり、省外への拡散は確認されていない。

 このほか、マカオ特別行政区では10月31日まで22日連続市中感染確認例ゼロ、香港特別行政区でも同23日連続ゼロを維持した。マカオの場合、すでに中国本土(リスク指定地域を除く)との間で隔離検疫なしの往来が再開されているが、近日の中国本土における状況の変化を受け、リスク指定地域の追加が相次ぐほか、広東省以外の中国本土滞在歴のある人にPCR検査を受けるよう呼びかけがなされている。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は9月5日、マカオで無資格にも関わらず薬剤の注射による美容医療行為に従事したとし…
  2.  マカオ政府統計・センサス局は9月6日、今年(2024年)5〜7月期の住宅価格指数を公表。 …
  3.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  4.  マカオの多くのカジノ施設が航空会社のマイレージ制度と似た会員プログラムを提供しており、入会するこ…
  5.  マカオ司法警察局は9月5日、マカオの高齢者を狙った特殊詐欺(電話詐欺)事案に関与したとして20代…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun