中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は6省区で70人…大半が遼寧省大連市=11/13

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 最近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港で感染力の強いデルタ株のクラスターが発生して各地へ波及するなどの事案があり、9月上旬には福建省の一部でデルタ株の市中における伝播が出現、同月下旬には黒竜江省ハルビン市でもデルタ株の市中感染確認例が出現した。さらに、10月中旬以降は内陸部のシルクロード観光エリア一帯を訪れた国内団体旅行客の移動をきっかけとした伝播、黒竜江省など各地で新たな市中感染の広がりが出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が11月14日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月13日の中国本土における新規市中感染確認は70人(前日から13人増)だったとのこと。内訳は、遼寧省60人(大連市)、河北省3人(辛集市)、黒竜江省2人(黒河市)、江西省2人(上饒市)、雲南省2人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、四川省1人(成都市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは29日連続で、2日ぶりに増加となった。市中の無症状感染例についても12日連続で出現し、江西省7人(上饒市)、雲南省1人(徳宏タイ族チンポー族自治州)の計8人(前日から10人減)という。

 11月13日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1350人(うち輸入性が381人)で、重症者は19人(輸入性2人)。無症状の患者532人(輸入性366人)が医学観察下にあるという。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。今年5月下旬に広東省で発生した大規模再流行、7月下旬に南京空港で発生したクラスターに端を発し10を超える省市とマカオへ波及した再流行、9月上旬に福建省のホ田市からアモイ市など省内の大都市に波及した約470人規模の再流行、9月下旬に黒竜江省ハルビン市を中心に出現した約90人規模の再流行についてもデルタ株によるものだが、それぞれ約1ヶ月で封じ込めに成功した実績がある。9月の福建省と黒竜江省のケースは、いずれも一部地域にとどまり、省外への拡散は確認されていない。

 しかしながら、10月中旬以降、中国本土の多くの地域で感染力の強いデルタ株の市中感染例が散発している状況。初期に出現した内モンゴル自治区及び甘肅省を中心としたシルクロード観光地関連では、感染者の多くが観光のためエリアを跨いで移動していたことから、省区を越えて波及した。近日では、発端とされる2省区の状況は落ち着いてきたとされる。このほか、時期を同じくして別の輸入性感染例から市中感染につながった異なる伝播チェーンが各所で出現している状況。中でも、遼寧省で感染確認例が増大しているほか、各地から北京市への流入も絶えない。ここまで再流行は全国21の省市区へ拡大し、その範囲、感染確認数とも年初来最大規模となっているが、マカオ特別行政区、香港特別行政区と陸で接する広東省には波及していない。NHC疾病予防対策局の呉良副局長は13日、目下のところ国内の全体的な流行状況は安定しており、(10月中旬以降の流行)初期に影響を受けた多くの省では効果的に流行を抑止し、伝播の食い止めに成功したとの見方を示した。北京市は13日、北京市への出入りに関する管理を強化する計画を明らかにし、17日以降、市内へ入る際に48時間以内のPCR検査陰性証明及び緑色健康コードの提示を必須とする措置を講じるとした。直近の遼寧省(大連市)における再流行の発端について、中国中央電視台の報道番組(13日放送)は当地のコールドチェーン関連の閉塞管理に漏れがあると指摘した。

 このほか、マカオ特別行政区では11月13日まで35日連続市中感染確認例ゼロ、香港特別行政区でも同36日連続ゼロを維持した。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

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