香港、新型コロナ市中感染確認39日連続ゼロ…輸入性はインドから到着の1人のみ=11/16

 人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)、10月8日に空港カーゴ部門従事者(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があったが、市中における連鎖的な伝播は出現していない。

 香港衛生当局の発表によれば、11月16日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は1人で、輸入性(海外からの入境者)とのこと。市中感染確認例に限ると39日連続ゼロを維持した。

 輸入性の患者は11月14日にインドからエアインディアAI1314便で香港へ到着した女性(21)。到着後すぐに空港内で受けた検査で陽性となり、感染確認に至ったもの。インドで新型コロナワクチンを2回接種済みで、L452R変異株感染だった。

 このほか、近日ドイツ・フランクフルトから到着したキャセイパシフィック航空の貨物機クルーが相次ぎ感染確認(L452R変異株)されたケースについて、ウイルスゲノム解析の結果、ゲノム配列が一致していたことが判明し、3人が現地で同一ホテルに滞在していたことから、その間に感染した可能性が極めて高いとした。11月1日以降に当該ホテルに宿泊歴のある別のクルーについても、すでにチェックアウト後21日間を指定隔離検疫施設での強制検疫を必須とする措置が講じられている。

 また、香港国際空港に近いランタオ島の東涌地区にある隔離検疫用の指定ホテルの同一階でウイルスゲノム配列が同じデルタ変異株(AY4.2亜型)の感染者が2人確認されたケースに関して、2人が滞在していた客室と同フロアの共用部から採取した73点の環境サンプルを分析した結果、2人が滞在していた客室の13点から陽性反応が検出されたという。11月1日から6日にかけて当該ホテルの同じウイングに滞在していた44人が検疫センターで強制検疫を受けることになったとのこと。

 香港における過去14日間(11月2〜15日)累計の新規感染確認は40人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2389人(擬似事案1人含む)。

 香港の11月15日午後8時時点のワクチン接種率は69.5%(1回目の接種完了)、66.5%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は920万6647回、1日あたり接種回数は1万4945回(7日移動平均値1万4416回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月に入って以降も未達が続く。なお、11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の1日あたり接種回数は7095回、累計では4万9931回に。

 香港衛生当局では、近日の輸入性感染確認例のうち、ワクチン接種を完了している患者も少なくないとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)及び外地における不必要な大型集会やイベントへの参加を控えるとともに、外地滞在中はマスクの着用し続け、個人・環境衛生管理に努めるよう呼びかけている。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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