香港、新型コロナ市中感染確認40日連続ゼロ…輸入性は3人、中国本土発の小包外装から陽性反応=11/17

 人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)、10月8日に空港カーゴ部門従事者(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があったが、市中における連鎖的な伝播は出現していない。

 香港衛生当局の発表によれば、11月17日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は3人で、すべて輸入性(海外からの入境者)とのこと。市中感染確認例に限ると40日連続ゼロを維持した。

 輸入性の患者3人は11月13日から15日にかけてパキスタン(アラブ首長国連邦経由とトルコ経由が各1人)、韓国(1人)から空路香港へ到着した男女。全員新型コロナワクチンを2回接種済みで、L452R変異株感染だった。

 このほか、11月16日に中国広東省衛生健康委員会から香港当局に対し、内モンゴル自治区における定例検査で、中国本土から香港に向けて発送された小包の外装から新型コロナウイルス陽性反応が検出され、当該小包が香港到達済みとの通報が寄せられたとのこと。香港当局の調査の結果、小包は11月7日に内モンゴル自治区から発送、11月13日に香港で受領され、受取人は受領サイン後すぐに外装を破棄し、中身の衣類も洗濯済みであることが確認できたという。香港当局では、冷凍環境下でない場合、新型コロナウイルスの残存期間は数日もなく、伝播リスクは少ないとしたが、外地から届いた物品を取り扱う際には、事後の手指の消毒が必要で、特に食べ物や口、鼻、目に触れる前に留意してほしいとした。なお、当局は当該小包の受取人及び輸送に関わった可能性のある人に対し、ウイルス検査を受けるよう求めている。近日は落ち着いた状況となっているが、10月中旬から11月初旬にかけて、内モンゴル地区では感染確認例が相次ぎ出現していた。

 香港における過去14日間(11月3〜16日)累計の新規感染確認は39人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2392人(擬似事案1人含む)。

 香港の11月16日午後7時時点のワクチン接種率は69.5%(1回目の接種完了)、66.6%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は922万0609回、1日あたり接種回数は1万3832回(7日移動平均値1万5388回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月に入って以降も未達が続く。なお、11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の1日あたり接種回数は6182回、累計では5万6146回に。

 香港衛生当局では、近日の輸入性感染確認例のうち、ワクチン接種を完了している患者も少なくないとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)及び外地における不必要な大型集会やイベントへの参加を控えるとともに、外地滞在中はマスクの着用し続け、個人・環境衛生管理に努めるよう呼びかけている。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

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