香港、新型コロナ市中感染確認46日連続ゼロ…輸入性は6人、うち4人がパキスタンから到着=11/23

 人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)、10月8日に空港カーゴ部門従事者(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があったが、市中における連鎖的な伝播は出現していない。

 香港衛生当局の発表によれば、11月23日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は6人で、すべて輸入性(海外からの入境者)とのこと。市中感染確認例に限ると46日連続ゼロを維持した。

 輸入性の患者6人は11月13日から21日にかけてパキスタン(アラブ首長国連邦経由3人、トルコ経由1人)、英国、米国からそれぞれ空路香港へ到着した6〜74歳の男女。うち5人がL452R変異株感染で、残る1人(パキスタンからアラブ首長国連邦経由で到着の24歳女性)はウイルス量不足により変異株の有無を調べる検査ができていないとのこと。また、パキスタンからアラブ首長国連邦経由で到着の6歳男児を除く5人が新型コロナワクチン接種済みだった。パキスタンからアラブ首長国連邦経由で到着の3人と英国から到着の1人については、到着後すぐに香港国際空港で受けた検査で陽性となり、感染確認に至ったもの。

 また、英国から到着した27歳の女性患者は、11月7日に英国へ出発(前日香港で受けた検査結果は陰性)しており、潜伏期間中に香港滞在歴があったことから、香港島・上環地区にある自宅及び九龍・尖沙咀にある勤務先周辺と立ち寄り先に居合わせた人が強制ウイルス検査の対象となった。

 香港における過去14日間(11月9〜22日)累計の新規感染確認は36人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2411人(擬似事案1人含む)。

 香港の11月22日午後7時時点のワクチン接種率は69.9%(1回目の接種完了)、66.9%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は930万0909回、1日あたり接種回数は1万4341回(7日移動平均値1万3447回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月に入って以降も未達が続くが、一両日中にも達成されるとみられる。なお、11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の1日あたり接種回数は6248回、累計では8万6870回に。

 香港衛生当局では、近日の輸入性感染確認例のうち、ワクチン接種を完了している患者も少なくないとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)及び外地における不必要な大型集会やイベントへの参加を控えるとともに、外地滞在中はマスクの着用し続け、個人・環境衛生管理に努めるよう呼びかけている。

 このほか、香港衛生当局は11月23日、同月21日にエミレーツ航空EK384便でドバイ(バンコク経由)から香港に到着した乗客のうち3人が空港での検査で感染確認されたことが香港の防疫措置規則に違反するとし、同社が運航するドバイとバンコク出発便を12月6日まで香港乗り入れ禁止処分とすることを発表。同便は過去にも複数回、同様の理由で乗り入れ禁止処分を受けたことがある。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  在香港日本国総領事館は11月22日、同月14日に澳門日本会に対する在外公館長表彰授与式が執り行わ…
  2.  マカオ市政署(IAM)は11月21日、マカオ半島のギアの丘(松山)に位置する史跡「松山軍用隧道(…
  3.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月22日夜、同日マカオ域内で輸入性デング熱感染を新たに1例確認し…
  4.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  5.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…

ピックアップ記事

  1.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun