マカオ、2021年3QのMICEイベント開催件数低迷…防疫措置引き締めで延期や中止相次ぐ

 マカオ政府統計調査局は11月26日、今年第3四半期(2021年7〜9月)にマカオで開催されたMICE(会議・研修、インセンティブ活動、国際・学術会議、エキジビション)に関する統計を公表。

 今年第3四半期のMICE開催件数は同年第2四半期から76件減、前年同時期から3件増の71件、参加・入場人数については同28.9%、23.9%のそれぞれ減となる22.6万人(延べ、以下同)にとどまった。

 昨年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い、マカオのMICE業界にも影響が生じているが、マカオでは比較的早期に新型コロナの封じ込めに成功し、昨年第3四半期から中国本土との往来制限が段階的に緩和された。以降、政府による後押しなどもあり、徐々にイベントが開催されるようになってきた。しかしながら、今年第3四半期内にマカオで市中感染確認例(輸入関連性事案)が複数出現したことを受けて、度々防疫措置が引き締めとなり、MICEイベントの延期や中止が相次いだ。

 今年第3四半期のコンベンション(会議)及びインセンティブ活動の開催件数は前年同時期並みの58件、参加者数は93.1%増の7035人。会議・インセンティブ活動全体の平均開催期間は前年同時期から0.3日延びて1.0日、使用会場総面積は1.3倍増の4.2万平米に。

 エキジビションは3件増の13件で、入場者数は25.3%減の21.9万人。このうち民間主催は1件増の11件で、入場者数は30.8%減の20.3万人。エキジビション全体の平均開催期間は0.6日短い3.0日、使用会場総面積は69.3%拡大の6.7万平米。

 13件のエキジビションの主催者提供資料によれば、収入合計は1111万マカオパタカ(日本円換算:約1.6億円)、支出合計は3610万マカオパタカ(約5.1億円)とのこと。民間主催の11件に限った収入合計は999万マカオパタカ(日本円換算:約1.4億円)で、ブース賃料が78.2%、政府及びその他機関による補助金が21.8%を占めた。支出合計は1315万マカオパタカ(約1.9億円)で、設営費が48.8%。エキジビションの収入から支出と政府及びその他機関による補助を除いた収支は534万マカオパタカ(約7600万円)の赤字。

 エキジビション出展社数は1210で、マカオからが66.4%、中国本土からが29.1%。来訪バイヤーは930人で、マカオからが46.7%、中国本土からが53.0%。501の出展者から回答を得たアンケート調査結果によれば、収入の98.0%が商品販売によるもので、支出の44.7%を宣伝・PR費、31.9%をブース賃料が占めたという。

 今年第3四半期までの累計では、MICE開催件数が前年から55件増の286件、参加・入場人数が71.0%増の68.3万人。コンベンション(会議)の開催件数は32件増の246件、参加者数は30.9%増の3.0万人。エキジビションは20件増の35件、入場者数は73.2%増の65.1万人。今年第3四半期までに開催された35件のエキジビションの収入合計は2721万マカオパタカ(約3.9億円)。民間主催による33件のエキジビションの収入合計は2608万マカオパタカ(約3.7億円)で、支出合計の5064万マカオパタカ(約7.2億円)と政府及びその他機関による補助の473万マカオパタカ(約6700万円)を除いた収支は633万マカオパタカ(約9000万円)の赤字だった。

2021年7月に開催されたエキジビション「マカオ国際観光(産業)エキスポ(MITE)」会場内の様子(資料)=マカオ・コタイエキスポホールにて本紙撮影

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