香港、新型コロナ市中感染確認67日連続ゼロ…輸入性は5人、オミクロン変異株感染者は計8人に=12/14
- 2021/12/14 17:34
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。
6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)、10月8日に空港カーゴ部門従事者(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があったが、市中における連鎖的な伝播は出現していない。
香港衛生当局の発表によれば、12月14日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は5人で、すべて輸入性(海外からの入境者)だったとのこと。市中感染確認例に限ると67日連続ゼロを維持した。
輸入性の患者は11月17日にフィリピンから、12月12日に米国、イタリア、パキスタン(トルコ経由)から空路それぞれ香港に到着。いずれも新型コロナワクチンを1回あるいは2回接種済みで、フィリピンと米国から到着の患者はN501Y変異株、イタリアとパキスタンから到着の患者はL452R変異株感染だった。
フィリピンから到着した患者は、ホームヘルパーとして就労するため入境。香港では、8月末から香港行き航空機搭乗前の陰性証明の取得、ワクチン接種完了、到着後に指定の検疫用ホテルで21日間の隔離検疫を受けることなどの条件でフィリピン及びインドネシアからの主にホームペヘルパー職の受け入れが再開となった。当該国から香港へ到着した後に感染確認される例が9月3日以降に相次いで出現している。イタリアから到着の患者は航空会社クルー。
香港における過去14日間(11月30日〜12月13日)累計の新規感染確認は60人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2496人(擬似事案1人含む)。
香港の12月13日午後7時時点のワクチン接種率は71.5%(1回目の接種完了)、68.1%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は966万3557回、1日あたり接種回数は1万5732回(7日移動平均値1万5148回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月23日にようやく達成された。なお、11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の累計接種回数は26万6453回。
香港衛生当局では、新型コロナの世界的な流行は依然として非常に深刻な状況にあり、より感染力の強い変異型ウイルスの症例が増加、またワクチンを接種した人の感染報告もあるとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)よう強く呼びかけている。
このほか、香港衛生当局は12月14日、香港で新たに1人のオミクロン変異株の感染者が確認されたことを明らかにした。患者は12月10日に香港政府が最高リスクの「A組」に指定しているアフリカ3ヶ国(タンザニア、南アフリカ、ケニア)からカタールを経由(カタール航空QR818便)で香港に到着し、隔離検疫センター滞在中の検査で陽性となり感染確認された後、ウイルスゲノム解析を経てオミクロン変異株だったことが判明したもの。容体については、12日に症状が出現したという。これまでに香港で確認されたオミクロン株感染者は累計8人となり、上述の患者以外は南アフリカ関連が2人、ナイジェリア関連が2人、英国関連が2人、米国関連が1人。香港衛生当局では、すべて空港または隔離検疫用ホテル内の検査で確認されたケースであり、市中における伝播はないとしている。