中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

　中国の国家衛生健康委員会（NHC）が12月16日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月15日の中国本土における新規市中感染確認は69人（前日から19人増）だったとのこと。内訳は浙江省56人（紹興市48人、寧波市5人、杭州市3人）、広東省6人（東莞市）、陝西省4人（西安市）、内モンゴル自治区2人（フルンボイル市）、安徽省1人（宿州市）。このうち広東省の2人については、無症状から感染確認に転じたケース。中国本土で市中感染確認例が出現するのは61日連続。市中の無症状感染例については3日連続で出現し、広東省1人（広州市）。

　12月15日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1506人（うち輸入性が512人）で、重症者は14人（輸入性5人）。無症状の患者459人（輸入性414人）が医学観察下にあるとのこと。

　目下、11月下旬以降の内モンゴル自治区、黒竜江省、浙江省における感染確認増により、再び感染確認者数に占める市中感染患者が過半数となっている。

　中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零（ゼロ化）」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、10月中旬以降、中国本土の多くの地域で感染力の強いデルタ株の市中感染例が散発している状況。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。近日、内モンゴル自治区フルンボイル市、黒竜江省ハルビン市、浙江省の3市などを中心に散発的な感染例の出現が相次ぎ、香港マカオと陸で接する広東省でも直近2日連続で複数人の感染確認があった中、今後の行方が気がかりだ。

　なお、14日に広州市で出現した無症状感染患者は、海外からの入境者の輸送任務にあたる人を対象とした定例PCR検査を通じて発見に至ったという。

　このほか、マカオ特別行政区では12月15日まで67日連続市中感染確認例ゼロ、香港特別行政区でも同68日連続ゼロを維持した。具体的なスケジュールや条件等は未公表だが、中国本土、香港、マカオの三地間で隔離検疫免除の相互往来を再開する準備が進められているとされる。

中国広東省広州市内にある高層ビル（資料）—本紙撮影