香港、新型コロナ新規感染確認9人…すべて輸入性、オミクロン変異株感染は累計58人に=12/27

 人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。

 6月以降も外遊歴のない人(多くが空港業務従事者)の散発的な感染確認があったものの、市中における連鎖的な伝播は出現していない。

 香港衛生当局の発表によれば、12月27日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は9人で、すべて輸入性(海外からの入境者)事案だったとのこと。市中感染確認に限ると80日連続ゼロ。

 輸入性の患者は12月22〜25日にかけてカタール・韓国・オーストラリア・ケニア、フランス・サウジアラビア、南アフリカ(エチオピア経由)、英国(2人)、エチオピア、オーストラリア、アラブ首長国連邦・カザフスタン(韓国経由)、カザフスタン(韓国経由)から空路香港へ到着。全員新型コロナワクチン2回接種済みで、N501Y/T478K変異株感染。なお、カタール・韓国・オーストラリア・ケニア、フランス・サウジアラビア、エチオピア、オーストラリアから到着の4人は航空会社のクルーだった。

 香港における過去14日間(12月13〜26日)累計の新規感染確認は101人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2599人(擬似事案1人含む)。

 また、27日には香港で新たに14人のオミクロン変異株の感染者が確認されたことも明らかとなった。同日までに香港で確認されたオミクロン株感染者は累計58人に。香港政府食品・衛生局の陳肇始(ソフィア・チャン)局長は27日に複数の感染症指定医療機関を訪れ、新型コロナ対応の取り組みなどを視察した。この際、香港におけるオミクロン変異株確認例が増加していることについて触れ、万全の措置を講じて臨んでいるが、市中感染第5波につながる恐れもあるとし、最悪の事態を想定した準備を進める考えを示した。

 香港の12月26日午後8時時点のワクチン接種率は72.1%(1回目の接種完了)、68.8%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は984万4003回、1日あたり接種回数は1万1870回(7日移動平均値1万3191回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月23日にようやく達成された。なお、11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の累計接種回数は35万0718回。

 香港衛生当局では、新型コロナの世界的な流行は依然として非常に深刻な状況にあり、より感染力の強い変異型ウイルスの症例が増加、またワクチンを接種した人の感染報告もあるとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)よう強く呼びかけている。

プリンセスマーガレット病院を視察に訪れた香港政府食品・衛生局の陳肇始局長=2021年12月27日(写真:news.gov.hk)

関連記事

最近の記事

  1.  在香港日本国総領事館は11月22日、同月14日に澳門日本会に対する在外公館長表彰授与式が執り行わ…
  2.  マカオ市政署(IAM)は11月21日、マカオ半島のギアの丘(松山)に位置する史跡「松山軍用隧道(…
  3.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月22日夜、同日マカオ域内で輸入性デング熱感染を新たに1例確認し…
  4.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  5.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  2.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  5.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun