香港、新型コロナ新規感染確認9人…すべて輸入性、オミクロン変異株感染は累計58人に=12/27
- 2021/12/27 17:17
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。
6月以降も外遊歴のない人(多くが空港業務従事者)の散発的な感染確認があったものの、市中における連鎖的な伝播は出現していない。
香港衛生当局の発表によれば、12月27日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は9人で、すべて輸入性(海外からの入境者)事案だったとのこと。市中感染確認に限ると80日連続ゼロ。
輸入性の患者は12月22〜25日にかけてカタール・韓国・オーストラリア・ケニア、フランス・サウジアラビア、南アフリカ(エチオピア経由)、英国(2人)、エチオピア、オーストラリア、アラブ首長国連邦・カザフスタン(韓国経由)、カザフスタン(韓国経由)から空路香港へ到着。全員新型コロナワクチン2回接種済みで、N501Y/T478K変異株感染。なお、カタール・韓国・オーストラリア・ケニア、フランス・サウジアラビア、エチオピア、オーストラリアから到着の4人は航空会社のクルーだった。
香港における過去14日間(12月13〜26日)累計の新規感染確認は101人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2599人(擬似事案1人含む)。
また、27日には香港で新たに14人のオミクロン変異株の感染者が確認されたことも明らかとなった。同日までに香港で確認されたオミクロン株感染者は累計58人に。香港政府食品・衛生局の陳肇始(ソフィア・チャン)局長は27日に複数の感染症指定医療機関を訪れ、新型コロナ対応の取り組みなどを視察した。この際、香港におけるオミクロン変異株確認例が増加していることについて触れ、万全の措置を講じて臨んでいるが、市中感染第5波につながる恐れもあるとし、最悪の事態を想定した準備を進める考えを示した。
香港の12月26日午後8時時点のワクチン接種率は72.1%(1回目の接種完了)、68.8%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は984万4003回、1日あたり接種回数は1万1870回(7日移動平均値1万3191回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月23日にようやく達成された。なお、11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の累計接種回数は35万0718回。
香港衛生当局では、新型コロナの世界的な流行は依然として非常に深刻な状況にあり、より感染力の強い変異型ウイルスの症例が増加、またワクチンを接種した人の感染報告もあるとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)よう強く呼びかけている。