中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は3省で35人…陝西省西安市が主、約10日ぶり2桁台=1/4

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が1月5日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月4日の中国本土における新規市中感染確認は35人(前日から73人減)だったとのこと。2桁台となるのは昨年12月25日以来、約10日ぶりのこと。内訳は陝西省35人(西安市)、河南省4人(許昌市2人、鄭州市1人、周口市1人)、浙江省2人(寧波市)。このうち河南省の2人が無症状から感染確認に転じたケース。中国本土で市中感染確認例が出現するのは80日連続。市中の無症状感染例についても5日連続で出現し、河南省22人(鄭州市9人、許昌市8人、周口市1人)、上海市4人(浦東新区3人、楊浦区1人)の計22人。

 1月4日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は3291人(うち輸入性が921人)で、重症者は31人(輸入性3人)。無症状の患者632人(輸入性565人)が医学観察下にあるとのこと。

 昨年11月下旬以降、内モンゴル自治区、黒竜江省、浙江省、陝西省における感染確認例の急増や各地での新規感染確認例の出現により、再び感染確認者数に占める市中感染患者が過半数を占める状況が続いている。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年10月中旬以降、中国本土の多くの地域で感染力の強いデルタ株の市中感染例が散発している状況。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。近日、内モンゴル自治区、黒竜江省、浙江省における再流行はほぼ落ち着き、全国的には安定した状況を維持しているが、12月から陝西省西安市を中心に感染確認が相次いでおり、全市ロックダウンを含む厳格な防疫措置が講じられた。同市における累計感染確認数は1700人規模に達しているが、ここにきてようやく顕著な下落に転じた。今回の陝西省西安市での再流行のきっかけは、12月4日に到着したパキスタンからの輸入性事案(デルタ変異株)とみられ、同省内をはじめ、広東省東莞市など省外の各地でも関連事案が確認されている。近日、浙江省寧波市のほか、河南省でも陽性者の出現が相次ぐ状況。

 このほか、マカオ特別行政区では1月4日まで87日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では12月31日に84日ぶりとなる市中感染確認例(オミクロン変異株)がレストランで発生し、クラスター化。また1月4日には新たに感染経路不明の初歩陽性事案も出現。昨年5月末に流行第4波が終息して以降、落ち着いた状態が続いていたが、第5波につながる可能性も懸念されている。なお、クラスターのきっかけは指定施設またはホテルでの隔離検疫が免除となっていた航空会社クルーの違反外出で、検疫体制が引き締められる(現在は指定ホテルでの7日間の隔離検疫必須)こととなった。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

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