香港、新型コロナ新規陽性者は市中感染7人含む33人…キャセイ航空CA発端のオミクロン変異株連鎖拡大=1/7
- 2022/1/7 19:32
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、2020年11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、2021年5月にかけて状況が落ち着き、同月末までに終息した。
6月以降も外遊歴のない人(多くが空港業務従事者)の散発的な感染確認があったものの、長く市中における連鎖的な伝播は出現していなかったが、大晦日に検疫規則違反のキャセイパシフィック航空の男性クルーをきっかけとしたレストラン「望月樓」店内での伝播が出現したことが判明し、83日にわたって続いた市中感染確認例ゼロ記録がストップ。年初にはキャセイ航空の女性クルー(キャビンアテンダント職)を発端とした別の感染連鎖伝播チェーンが出現し、連日新たな陽性者が相次いでいる。いずれも感染力が非常に強いとされるオミクロン変異株の事案。
香港衛生当局の発表によれば、1月7日午前0時時点集計の単日の新規陽性者は33人で、内訳は輸入関連性を含む市中が7人、輸入性(海外からの入境者)が26人。
輸入関連性の7人は、すべてキャセイ航空CAの母親からの伝播チェーン(ダンスグループルート)とみられ、一部は望月樓でクラスターが発生した日に同店で食事をしていたとのこと。
輸入性の患者26人については、ドイツ(航空会社クルー)、米国、フィンランド、英国、フィリピンなどからの到着者。
また、初歩陽性者の数は約30人で、市中ではキャセイ航空CAの母親からの伝播チェーン上にある4歳の幼稚園児(先に感染確認された患者の家族で検疫センター移送済み)が含まれるほか、感染経路不明のケースも1人おり、複数のスーパーで仕事をしていた女性という。
香港では昨今の情勢の変化を受けて、域内における防疫措置(ソーシャルディスタンス措置)が1月7日から、水際措置が1月8日からそれぞれ14日間にわたり引き締めとなる。
目下、香港では市中で出現した陽性者及び初歩陽性者の住居のあるマンション同棟住民や立ち寄り先に居合わせた人が次々と隔離検疫あるいは強制ウイルス検査の対象となっている。そんな中、1月3日開催された政治家の誕生日パーティの参加者のうち感染確認1人と初歩陽性1人が出現し、多くの政府関係者や議員が参加していたことが発覚し、物議を醸している。すでに約170人の参加者全員が密接接触者、その家族についても二次接触者として隔離検疫の対象となった模様。
香港衛生当局は7日の記者会見において、市中で3つの伝播チェーンが見つかっており、未発見のものが存在する可能性も排除できず、市民に対して家族間を跨ぐ集まり、混み合った場所へ出かける機会を減らすほか、速やかにワクチン接種を済ませるよう呼びかけた。
このほか、香港の1月6日午後8時時点のワクチン接種率は73.7%(1回目の接種完了)、69.6%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は1012万3660回、1日あたり接種回数は4万1294回(7日移動平均値3万0891回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は昨年9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月23日にようやく達成された。また、11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の累計接種回数は47万4272回。直近で市中感染確認例が相次ぎ出現したことで、再び接種回数に増加傾向に転じており、これまで低位だった60歳以上の高齢者層に動きがみられる。