中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は25人…北京市で低温物流関連の感染確認続く=1/26

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が1月27日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月26日の中国本土における新規市中感染確認は25人(前日から1人増)だったとのこと。内訳は浙江省6人(杭州市)、北京市5人(豊台区)、黒竜江省5人(牡丹江市)、河北省4人(廊坊市)、天津市1人(河北区)、上海市1人(奉賢区)、河南省1人(安陽市)、新疆ウイグル自治区1人(イリ・カザフ自治州)、新疆生産建設兵団1人(建設兵団第4師)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは103日連続。市中の無症状感染例についても10日連続で出現し、黒竜江省11人(牡丹江市10人、綏化市1人)、新疆ウイグル自治区3人(イリ・カザフ自治州)、新疆生産建設兵団2人(建設兵団第4師)、江西省1人(上饒市)の計17人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、マカオ寄りの珠海市及び同市が主な生活圏となっている中山市南部の坦洲鎮でオミクロン変異株感染例の出現が断続的に続いたが、珠海市に限ると26日まで3日連続新規感染確認ゼロとなったが、中山市坦洲鎮で25日に感染確認された患者は珠海市の小学校に通う女子児童だった。珠海市と中山市の事案は関連性があるとされ、発端は外来郵便物に付着したウイルスとされる。1月15日以降、北京市でもデルタ変異株とオミクロン変異株の市中陽性者が相次ぎ出現しており、国際郵便物と輸入コールドチェーン(低温物流)物品に付着したウイルスが発端とみられる伝播チェーンの存在も確認されている。北京市における1月15日から26日午後4時までの累計感染感染者数は75人に上り、大半がコールドチェーン絡みのデルタ変異株感染とのこと。新たに複数の市中感染確認例が出現した浙江省杭州市について、オミクロン変異株だが、ウイルスゲノム解析の結果、これまでに当地で見られた市中あるいは輸入性のものと型が一致せず、昨年12月に外国で報告されたものと近いことが判明したという。

 1月26日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2361人(うち輸入性が1031人)で、重症者は7人(うち輸入性1人)。無症状の患者784人(輸入性680人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。目下、人の流動が増える春節(旧正月)の帰省シーズンを迎えている。

 このほか、マカオ特別行政区では1月26日まで109日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まったとされる。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈する中、各種防疫措置が引き締め、延長となるなど緊張状態が続いている。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

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