マカオの2022年GDPは前年比3.6〜37.9%回復…マカオ大学がインバウンド旅客回復度別に4パターン予測
- 2022/1/27 11:43
- 産業・経済
マカオ大学マカオ研究センターと社会科学学部経済学科は1月26日に記者会見を開き、今年(2022年)のマカオのマクロ経済予測を発表。
マカオ経済はインバウンド依存度が極めて高い。新型コロナウイルス感染症の世界的流行が長期化する中、今後の流行状況の変化と政府の政策(水際措置等)によりインバウンド旅客数が大きく変動することを踏まえ、インバウンド旅客の回復度別に4つのシナリオを用意して幅のある予測を示すかたちとなった。具体的には、①インバウンド旅客数990万人(2019年の25%)、②1380万人(35%)、③1770万人(45%)、④2170万人(55%)の4つ。参考までに、昨年(2021年)のインバウンド旅客数は771万人(19.6%)で、最も悲観的なシナリオ①でも昨年を上回ると見込んでいる。
今年のGDPは3.6%〜37.9%の回復(このうちゲーミング(カジノ)サービス業を主とするサービス輸出は5.8〜64.7%の回復)、政府最終収入は512億〜659億パタカ(日本円換算:約7283億〜9374億円)前後、個人消費はいずれのシナリオも約1.1%増、固定資産形成総額は8.0〜12.9%増、仕事から得られる月収は1.8〜3.8%増、失業率は2.6〜3.9%の間などとする予測を示した。
マカオ大学社会科学学部経済学科の何偉雄助教は会見において、昨年は非常に厳しい経済収縮を経験した前年から回復が見受けられたが、それは力強いものではなく、マカオ政府が特に中小企業を支援する様々な支援を実施してきたこと挙げ、依然として中小企業の経営は苦しく、政府による継続的な支援が必要であり、社会は民生支援についても期待しているとコメント。また、政府が直面している課題は、いかにマカオの新型コロナワクチン接種率を高め、インバウンド旅客数の回復につながる水際措置緩和を図れるかだとした。
なお、昨年第3四半期まで(通気は現時点で未公表)のマカオの実質GDPは前年同期比27.3%増。ただし、前年同時期は58.0%収縮だったことから、本格回復には至っていない状況が伺える。