マカオ当局とカジノ運営6社が春節シーズン控え会議…連携改善で防犯体制強化図る

 マカオでは、新型コロナウイルス感染症防疫対策として、2020年1月下旬から水際措置が講じられ、インバウンド旅客が激減している。

 一方で、2020年第4四半期以降、中国本土との間では条件付きの隔離検疫免除での往来が再開。目下、インバウンド旅客の9割超が中国本土からとなっている。ただし、中国本土及びマカオにおける流行状況の変化に応じて水際措置の調整も実施される中、インバウンド旅客数の回復は緩やかで、アップダウンの波も激しく、コロナ前水準を大きく下回る状況が続き、カジノ売上にも影響が生じている。

 中国本土では、まもなく春節(旧正月)の大型連休を迎える。コロナ禍とあって、かつてのような旅行熱は鳴りを潜めるものの、マカオ政府旅遊局は春節シーズンのインバウンド旅客数を1日平均2万人程度と見込んでいる。

 マカオ司法警察局は1月28日、政府カジノ監理部門にあたる博彩監察協調局(DICJ)と合同で、カジノ運営6社の代表者を招集した会議を開催したと発表。カジノ施設で多く発生する事案及び新手の犯罪に関する情報共有、既存のカジノ関連犯罪抑止・撲滅策の有効性、犯罪通報・連絡メカニズムの改善点などについて検討が行われたとのこと。

 司法警察局は、近月、カジノ施設における人流が増加し、春節を間近に控える中、カジノ施設内外の治安環境の変化を注視し、継続してカジノ関連犯罪の取り締まりを進めていくとした。

 近年マカオでは「換銭党」と呼ばれる非合法両替商がカジノ施設内外で暗躍し、治安への悪影響が懸念されていた。警察当局による取り締まりが進んだこと、さらにはコロナ禍で一時下火になったものの、このところ再び換銭党が絡むとみられる事件が相次ぎ報告されている。

マカオ当局とカジノ運営6者の代表による会議の様子(写真:マカオ司法警察局)

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