香港、新型コロナ新規感染確認986人…ワクチン接種回数が3日連続最多更新=2/10
- 2022/2/10 19:00
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。
第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月に入って以降、市中における新規感染確認数が急増し、その多くが感染経路不明となるなど、状況が深刻化している。
香港衛生当局の発表によれば、2月10日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は986人で、内訳は市中が985人、輸入性(海外からの入境者)が1人。市中感染確認例の大半がオミクロン変異株感染疑いとのこと。多くの医療機関、高齢者介護施設に絡む感染例も報告されている。このほか、明日以降に感染確認される可能性の高い初歩陽性者が約800人いるという。
単日の感染確認数は1000人台が2日続いた後に再び3桁台となったが、検査体制が逼迫する中、実数を反映できていないとの指摘もある。
香港衛生当局は10日夕方の会見の中で、目下の流行状況はたいへん深刻であり、単日の感染確認数は2月1日の129人だったが、2月9日には1161人に上り、急上昇していることを挙げ、医療崩壊を防ぐため、非常手段での対応が必須との考えを示し、市民に対して不要不急の複数のファミリーを跨ぐ会合を避け、一致団結して防疫に臨み、速やかにワクチンを接種してほしいと呼びかけた。
香港では市中で出現した感染確認及び初歩陽性者の住居のあるマンション同棟住民や立ち寄り先に居合わせた人、下水から陽性反応が検出されたエリア等が次々と強制検疫(検疫センターでの隔離検疫)や強制ウイルス検査の対象となっており、域内におけるソーシャルディスタンス措置、域外からの流入防止を目的とした水際措置の引き締めなどの策も講じられている。
香港の2月9日午後8時時点のワクチン接種率は81.3%(1回目の接種完了)、73.0%(2回目の接種完了)となっている(※1月21日から新たに接種対象となった5〜11歳は含まず)。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、市中感染確認例が相次ぎ出現したこと、ワクチンパスポート(所定施設入場時に1回以上のワクチン接種証明を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から上昇傾向が続く。9日の接種回数は8万3541回で、単日最多記録を3日連続更新した。政府は免疫の壁を構築するための目標として、接種率9割の達成を掲げており、ワクチンパスポートが10日から一部で先行スタートした。