中国本土、新型コロナ新規市中感染確認40人…大半が遼寧省、江蘇省でも新たな伝播出現、広東省では3日連続=2/14

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が2月15日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月14日の中国本土における新規市中感染確認は40人(前日から14人増)だったとのこと。内訳は、遼寧省29人(葫芦島市28人、瀋陽市1人)、江蘇省8人(蘇州市)、広東省2人(深セン市)、広西チワン族自治区1人(百色市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは122日連続。市中の無症状感染例については3日連続で出現し、江蘇省4人(蘇州市)、雲南省3人(文山チワン族ミャオ族自治州)の計7人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、1月上旬から中旬にかけて珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現。近日は一旦落ち着いていたが、深セン市で12日に6日ぶりとなる感染確認例が出現し、以降は14日まで3日連続。14日に感染確認された2人は先に感染確認された患者の密接接触者とのこと。広東省の南に隣接する広西チワン族自治区の百色市を中心に2月初旬にオミクロン変異株の再流行が出現。同市で最初に見つかった患者は深セン市滞在歴があったとされる。遼寧省ではこれまでも省外から戻った人やコールドチェーン物品外装に付着したウイルス等を発端とする再流行がしばしば発生している。今回の再流行については葫芦島市が中心で、最初に見つかった患者のウイルス型が先に黒竜江省綏芬河市で先に確認されたものと一致したことが判明し、春節(旧正月)シーズンに帰省した人をきっかけに近所や訪問先の親戚に伝播したものとされている。江蘇省の蘇州市でも新たに複数の市中陽性者が出現。オミクロン変異株感染とされるが、感染経路については調査中という。

 2月14日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1398人(うち輸入性が701人)で、重症者は6人(うち輸入性1人)。無症状の患者791人(輸入性714人)が医学観察下にあるとのこと。

 なお、2月4日に開幕した北京冬季五輪の関係者については、バブル方式(閉塞管理)が採用されている。組織委員会が2月14日午前に発表した情報などを総合すると、1月23日から2月13日までの五輪関係者の累計陽性者数は432人(うち選手及び選手団随行メンバー183人)。2月13日単日では3人(同1人)だった。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では2月14日まで127日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。単日感染確認数は2月14日に流行開始以来の最多の2071人を記録するなど、高位が続く状況。第5波下で死亡例は累計で2桁となった。2月に入って以降、深セン市では香港から到着した貨物車の運転手の感染確認例が相次いでおり、物流面での影響も生じている。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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