中国本土、新型コロナ新規市中感染確認35人…輸入性感染確認例中に香港からの密航者が複数存在か=2/16

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が2月17日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月16日の中国本土における新規市中感染確認は35人(前日から11人減)だったとのこと。内訳は、江蘇省16人(蘇州市)、遼寧省7人(葫芦島市)、広東省7人(深セン市6人、広州市1人)、内モンゴル自治区3人(フフホト市)、広西チワン族自治区1人(百色市)、雲南省1人(徳宏タイ族チンポー族自治州)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは124日連続。市中の無症状感染例については5日連続で出現し、江蘇省7人(蘇州市6人、無錫市1人)、広東省2人(深セン市)、雲南省2人(徳宏タイ族チンポー族自治州)の計5人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、1月上旬から中旬にかけて珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現。近日は一旦落ち着いていたが、深セン市で12日に6日ぶりとなる感染確認例が出現し、以降は16日まで5日連続。16日に深セン市で感染確認された多くが先に出現した隔離検疫ホテルスタッフのクラスター関連で、感染者の累計は2桁に。このうち最初に感染確認された5人がオミクロン変異株亜種のBA.2感染かつ同一伝播チェーン上にあるもことがわかっている。近日、遼寧省の葫芦島市と江蘇省の蘇州市でもオミクロン変異株の伝播が出現し、感染感染確認数の増が続く状況。

 このほか、広東省では香港からの輸入性の感染確認及び無症状感染例が相次ぎ見つかっている。内訳は感染確認が深セン市、珠海市、仏山市、東莞市で計13人、無症状感染が珠海市、仏山市、中山市、江門市で各1人とのこと。2月に入って以降、深セン市では香港から到着した貨物車の運転手の感染確認例が相次いでいるが、この日の事案については別の要因もあるようだ。複数の香港メディアが16日に報じた内容を総合すると、2月14日未明に香港のランタオ島から出発した15人乗りの密航ボートが同日朝に広東省珠海市の斗門へ到着。到着後、事前に手配したとみられる自動車等で各地へ移動し、移動先で検査を受けた複数人の陽性が発覚したとのこと。15人のうち12人の追跡に成功しているという。

 2月16日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1420人(うち輸入性が731人)で、重症者は7人(うち輸入性1人)。無症状の患者721人(輸入性636人)が医学観察下にあるとのこと。

 なお、2月4日に開幕した北京冬季五輪の関係者については、バブル方式(閉塞管理)が採用されている。組織委員会が2月16日午前に発表した情報などを総合すると、1月23日から2月15日までの五輪関係者の累計陽性者数は435人(うち選手及び選手団随行メンバー183人)。2月15日単日では2人(同ゼロ)だった。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では2月16日まで129日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。単日感染確認数は2月16日に流行開始以来の最多の4285人を記録した。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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