中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は10省市区で85人…武漢市の企業研修クラスターが各地に拡散=2/23

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が2月24日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月23日の中国本土における新規市中感染確認は85人(前日から5人減)だったとのこと。内訳は、内モンゴル自治区40人(フフホト市37人、包頭市3人)、湖北省10人(武漢市)、遼寧省8人(葫芦島市)、広東省8人(深セン市)、四川省6人(成都市)、江蘇省3人(蘇州市)、広西チワン族自治区3人(防城港市)、雲南省3人(臨滄市2人、紅河ハニ族イ族自治州1人)、北京市2人(西城区)、山西省2人(晋中市1人、忻州市1人)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは131日連続。市中の無症状感染例についても12日連続で出現し、雲南省7人(臨滄市)、黒竜江省5人(黒河市4人、鶏西市1人)、江蘇省5人(蘇州市)、四川省4人(成都市)、河北省1人(石家庄市)、湖北省1人(武漢市)、広東省1人(深セン市)の計24人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、1月上旬から中旬にかけて珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現。一旦は落ち着いていたが、深セン市で12日に6日ぶりとなる感染確認例が出現し、以降は23日まで12日連続。このところの深セン市における新規感染確認例は、先に出現した隔離検疫ホテルスタッフのオミクロン変異株によるクラスター関連が中心で、すでに濃厚接触者として隔離済みまたは重点検査対象の中から発見されているが、自主的に検査を受けたことをきっかけに発見に至った例もある。同市の近日の市中感染事案の多くのがオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)とされる。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

 また、湖北省武漢市では、化粧品企業が実施した研修をきっかけとしたオミクロン変異株のクラスターが発生した。市外から研修に参加した人によって北京市、山東省、河北省など複数の省市に拡散している模様。武漢市当局は市民に不要不急の市外への移動を控えるよう呼びかけているほか、市内複数箇所を中リスクエリアに設定し、学校では閉塞管理が実施されているという。内モンゴル自治区と遼寧省の今回の再流行はデルタ変異株の伝播とみられる。

 2月23日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2098人(うち輸入性が1086人)で、重症者は18人(うち輸入性2人)。無症状の患者774人(輸入性633人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では2月23日まで136日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月中旬以降は単日の感染確認数が4桁となる日が続き、23日は流行開始以来最多を更新する8674人に。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設が進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査が実施される予定。近日、港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでおり、マカオでも市中への流入リスクが高まってきたとして市民に対してワクチン接種を済ませるよう緊急の呼びかけがなされている。

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