中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は93人…うち広東省が30人、深セン・東莞・珠海の3市=2/25

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が2月26日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月25日の中国本土における新規市中感染確認は93人(前日から11人増)だったとのこと。内訳は、内モンゴル自治区32人(フフホト市30人、フルンボイル市2人)、広東省30人(東莞市19人、深セン市9人、珠海市2人)、遼寧省10人(葫芦島市)、広西チワン族自治区9人(防城港市)、江蘇省4人(蘇州市)、雲南省3人(臨滄市2人、紅河ハニ族イ族自治州1人)、四川省2人(成都市)、北京市1人(朝陽区)、黒竜江省1人(鶏西市)、福建省1人(アモイ市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは133日連続。市中の無症状感染例についても14日連続で出現し、雲南省17人(臨滄市12人、紅河ハニ族イ族自治州4人、徳宏タイ族チンポー族自治州1人)、広東省9人(深セン市)、四川省2人(成都市1人、眉山市1人)、黒竜江省1人(黒河市)、上海市1人(宝山区)の計30人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、1月上旬から中旬にかけて珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現。一旦は落ち着いていたが、深セン市で12日に6日ぶりとなる感染確認例が出現し、以降は25日まで14日連続。深セン市では、2月中旬に隔離検疫ホテルスタッフのオミクロン変異株によるクラスターが出現したほか、自主的に検査を受けた人が感染確認されるケースも相次いだ。同市の近日の市中感染事案の大半がオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)とされている。深セン市の北に位置する東莞市では、大朗鎮で発熱外来を受診した1人が自主的に受けた検査で感染確認されたのをきっかけに、濃厚接触者に認定された中から多くの陽性者が見つかった模様。珠海市で感染確認された2人は隔離検疫ホテルの職員で、18日から閉塞管理状態にあったとのこと。

 2月25日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2431人(うち輸入性が1318人)で、重症者は18人(うち輸入性1人)。無症状の患者880人(輸入性709人)が医学観察下にあるとのこと。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では2月25日まで138日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月中旬以降は単日の感染確認数が4桁となる日が続き、25日は流行開始以来最多を3日連続更新する1万0010人に。1万人超となるのは初。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設が進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査が実施される予定。近日、港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでいる。

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