香港、新型コロナ新規感染確認数1.7万人…前日から7割増、第5波開始以来の累計8.1万人に=2/26
- 2022/2/26 18:22
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。
第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月に入って以降、市中における新規感染確認数が急増し、その多くが感染経路不明となるなど、状況が深刻化している。
香港衛生当局の発表によれば、2月26日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は前日から7053人増の1万7063人だったとのこと。大半がオミクロン変異株感染疑い。単日1万人超となるのは2回目(2日連続)で、流行開始以来最多を4日連続更新した。内訳は市中が1万7057人、輸入性(海外からの入境者)が6人。また、第5波開始以来の累計は8.1万人となり、特に2月に入って以降、急上昇が続く。衛生当局は、感染者の数は未だピークに達しておらず、香港の医療システムが過去に経験したことないレベルの挑戦に直面しているとの見方を示した。
公立病院における26日未明時点の直近24時間の感染者の死亡者数は66人(男性39人、女性27人/年齢19〜101歳/ワクチン未接種58人)で、これとは別に20〜24日分として遅れて報告された死亡者が22人(45〜95歳)報告された。昨夜時点で、入院患者のうち40人が危篤状態、97人が深刻な状況にあるという。
2月に入って以降の感染急拡大を受け、検査体制の逼迫、公立病院の隔離病床の不足が深刻化している状況で、感染確認または陽性となった人が自宅での待機を余儀なくされているケースも多い。目下、政府がホテルの借り上げや中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設を進めているほか、各種防疫措置の強化、全市民を対象とした強制PCR検査の実施なども発表済み。
香港の2月25日午後8時時点のワクチン接種率は88.2%(1回目の接種完了)、76.7%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、市中感染確認例が相次ぎ出現したこと、ワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。25日単日の接種回数は9万3654回で、高位を維持。政府は免疫の壁を構築するための目標として接種率9割の達成を掲げており、ワクチンパスが24日から本格スタートした。
香港で新型コロナワクチン接種プログラムがスタートしたのは、昨年2月26日のことで、丸1年が経過した。接種率50%を達成したのは8月5日で、70%が11月23日、80%が今年2月6日。数日以内に90%が達成される見通し。