中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は13省市区で54人…広東省が過半=3/2

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月3日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月2日の中国本土における新規市中感染確認は54人(前日から17人減)だったとのこと。内訳は、広東省28人(深セン市23人、東莞市5人)、内モンゴル自治区7人(フフホト市6人、包頭市1人)、湖北省4人(武漢市)、吉林省3人(延辺朝鮮族自治州)、上海市3人(普陀区)、広西チワン族自治区2人(防城港市)、天津市1人(海浜新区)、河北省1人(邯鄲市)、山西省1人(晋中市)、黒竜江省1人(ハルビン市)、江蘇省1人(蘇州市)、四川省1人(成都市)、雲南省1人(徳宏タイ族チンポー族自治州)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは138日連続。市中の無症状感染例についても19日連続で出現し、雲南省9人(徳宏タイ族チンポー族自治州6人、紅河ハニ族イ族自治州2人、臨滄市1人)、広東省6人(東莞市3人、深セン市2人、恵州市1人)、広西チワン族自治区6人(防城港市)、上海市5人(普陀区3人、宝山区1人、嘉定区1人)、黒竜江省3人(牡丹江市)、海南省1人(三亜市)の計37人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現している状況で、3月2日まで19日連続で感染確認例が出現している。中でも、深セン市については、近日の市中感染事案の大半がオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)と報告されており、感染者の出現範囲も広いという。深セン市の北に位置する東莞市では、大朗鎮、常平鎮、虎門鎮の3エリアで別々の伝播チェーンが出現している模様。両市とも3月2日の感染確認、無症状患者は濃厚接触者、重点区域、重点対象の中から検査を通じて発見に至ったとのこと。恵州市で出現した無症状感染者については、東莞市の重点対象との接触歴があった。

 このほか、上海では3月1日から高齢者ダンスグループのメンバー内でクラスターが発生。このグループは普陀区と宝山区の複数箇所で活動していたという。最初に確認された患者がオミクロン変異株感染だったことがわかっている。

 3月2日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は3094人(うち輸入性が1843人)で、重症者は20人(うち輸入性2人)。無症状の患者1298人(輸入性951人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月2日まで143日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月以降は感染確認数が急増しており、3月2日は流行以来最多を再更新する5.5万人超となり、第5波開始以来の累計は約28.1万人に。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているという。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設が進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査が実施される予定。近日、港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人、深センとの間を往来する貨物車の運転手が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでいる。

香港とマカオ、珠海を結ぶ「港珠澳大橋」のイメージ(資料)=2019年10月本紙撮影

香港とマカオ、珠海を結ぶ「港珠澳大橋」のイメージ(資料)=2019年10月本紙撮影

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