中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は175人…吉林・広東・山東の3省が主=3/7

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月8日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月7日の中国本土における新規市中感染確認は175人(前日から39人減)だったとのこと。内訳は、吉林省46人(吉林市28人、長春市17人、延辺朝鮮族自治州1人)、広東省45人(東莞市31人、深セン市13人、恵州市1人)、山東省31人(青島市29人、威海市2人)、江蘇省10人(連雲港市)、甘粛省10人(蘭州市5人、蘭州新区3人、白銀市1人、酒泉市1人)、雲南省5人(徳宏タイ族チンポー族自治州3人、昆明市2人)、陝西省5人(西安市)、河北省4人(石家庄市2人、ケイ台市2人)、上海市4人(徐匯区3人、普陀区1人)、浙江省4人(衢州市)、天津市3人(東麗区2人、北辰区1人)、遼寧省3人(瀋陽市)、内モンゴル自治区2人(フフホト市)、北京市1人(海淀区)、山西省1人(運城市)、広西チワン族自治区1人(崇左市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは143日連続で、3桁となるのは4日連続。市中の無症状感染例についても24日連続で出現し、山東省144人(青島市129人、威海市14人、煙台市1人)、広東省73人(東莞市)、上海市51人(徐匯区16人、嘉定区13人、閔行区10人、宝山区5人、松江区3人、浦東新区2人、楊浦区1人、金山区1人)、吉林省19人(長春市6人、延辺朝鮮族自治州3人、梅河口市1人)、雲南省18人(徳宏タイ族チンポー族自治州15人、臨滄市2人、昆明市1人)、遼寧省5人(瀋陽市)、江蘇省5人(連雲港市4人、南通市1人)、広西チワン族自治区3人(防城港市2人、百色市1人)、山西省1人(運城市)、甘粛省1人(臨夏回族自治州)の計330人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現している状況で、3月7日まで24日連続。中でも、深セン市については、近日の市中感染事案の大半がオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)と報告されており、感染者の出現範囲も広いとのこと。深セン市の北に位置する東莞市でも大朗鎮、常平鎮、虎門鎮の3エリアで別々の伝播チェーンが出現しているとされ、感染者の増が続く。なお、7日の広東省の輸入性感染確認47人中45人と無症状41人中34人が香港からの入境者だった。

  3月7日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は4052人(うち輸入性が2385人)で、重症者は9人(うち輸入性2人)。無症状の患者2407人(輸入性1215人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月7日まで148日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月8日までの累計は約48.4万人に。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設が進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査が実施される予定。近日、港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人、深センとの間を往来する貨物車の運転手が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでいる。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

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