中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は397人…広東省では27日連続、広州市でオミクロン株亜種BA1.1感染例出現=3/10
- 2022/3/11 10:30
- 香港・大湾区
中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。
中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月11日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月10日の中国本土における新規市中感染確認は397人(前日から5人減)だったとのこと。内訳は、山東省121人(青島市103人、威海市8人、徳州市6人、煙台市3人、シ博市1人)、吉林省98人(吉林市93人、延辺朝鮮族自治州3人、長春市2人)、江蘇省36人(連雲港市34人、南京市2人)、甘粛省26人(蘭州新区15人、白銀市8人、蘭州市3人)、天津市18人(西青区10人、津南区3人、東麗区2人、河東区1人、南開区1人、紅橋区1人)、陝西省18人(宝鶏市8人、西安市8人、漢中市2人)、河北省16人(滄州市7人、廊坊市5人、ケイ台市3人、保定市1人)、浙江省16人(杭州市13人、衢州市3人)、上海市11人(浦東新区4人、虹口区2人、閔行区2人、嘉定区1人、金山区1人、青浦区1人)、広東省11人(深セン市9人、広州市1人、東莞市1人)、黒竜江省8人(ハルビン市)、北京市5人(朝陽区2人、海淀区2人、大興区1人)、雲南省5人(徳宏タイ族チンポー族自治州4人、昆明市1人)、遼寧省4人(瀋陽市)、内モンゴル自治区2人(フフホト市1人、アルシャー盟1人)、河南省1人(濮陽市)、青海省1人(西寧市)。このうち山東省の10人、吉林省と甘粛省の各2人、北京市、天津市、内モンゴル自治区、遼寧省、河南省、広東省、青海省の各1人の計21人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは146日連続で、3桁となるのは7日連続。
市中の無症状感染例についても27日連続で出現し、山東省255人(青島市221人、威海市31人、シ博市3人)、広東省167人(東莞市165人、深セン市2人)、吉林省148人(吉林市123人、長春市21人、四平市1人、松原市1人、延辺朝鮮族自治州1人、梅河口市1人)、上海市64人(閔行区13人、宝山区11人、松江区9人、徐匯区6人、浦東新区6人、普陀区4人、虹口区4人、青浦区4人、嘉定区3人、静安区2人、黄浦区1人、長寧区1人)、雲南省25人(徳宏タイ族チンポー族自治州18人、昆明市6人、臨滄市1人)、河北省16人(廊坊市12人、滄州市3人、ケイ台市1人)、江蘇省12人(連雲港市5人、南京市3人、蘇州市2人、南通市1人、揚州市1人)、広西チワン族自治区6人(防城港市5人、百色市1人)、甘粛省4人(白銀市)、北京市2人(朝陽区1人、海淀区1人)、黒竜江省2人(ハルビン市)、河南省1人(濮陽市)、湖北省1人(咸寧市)の計703人。
香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現している状況で、3月10日まで27日連続。深セン市については、近日の市中感染事案の大半がオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)と報告されている。9日、同省西部の陽江市で感染確認された患者が同月5〜7日にかけて省都の広州市滞在歴があったことが公表されていたが、10日に広州市で感染確認された患者は立ち寄りの濃厚接触者で、オミクロン変異株亜種BA.1.1感染だったとのこと。陽江市から広州市を訪れていた患者の広州市内での活動範囲は広く、複数のショッピングモールが閉塞管理とされ、訪問先に居合わせた人などを対象としたPCR検査が進められている。
3月10日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は5024人(うち輸入性が2540人)で、重症者は6人(うち輸入性2人)。無症状の患者3972人(輸入性1387人)が医学観察下にあるとのこと。
中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。
マカオ特別行政区では3月10日まで151日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月10日までの累計は60.4万人超に。ただし、当局は10日夕方の記者会見でピークを過ぎたとの見方を初めて示した。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設が進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査が実施される予定。近日、港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人、深センとの間を往来する貨物車の運転手が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでいる。