香港、新型コロナ新規感染者数は約2.9万人…第5波累計約63.4万人、死亡率0.51%=3/11
- 2022/3/11 18:45
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。
2月に入って以降、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど、状況が深刻化している。目下、市中における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)が主とされている。
香港衛生当局の発表によれば、3月11日午前0時時点集計の単日の新規感染者数は前日から2021人減(6.4%減)の2万9381人だったとのこと。内訳は、PCR検査結果陽性が前日から5502人減(26.7%減)の1万8888人(輸入性4人含む)、スピード抗原検査結果のオンライン陽性報告数が同3481人増(49.6%増)の1万0493人。で、第5波開始以来の累計感染者数は約63.4万人となった。
当局では、目下の流行状況について、すでに安定したとみられるが、減少傾向に転じたわけではなく、依然として深刻だとし、市中には数えきれない伝播チェーンがあり、油断すれば再び感染拡大の可能性もあることから、市民に対して警戒を維持し、各種防疫措置を遵守してほしいと呼びかけた。
公立病院における11日未明時点の直近24時間の感染者の死亡者数は196人(24〜107歳、ワクチン未接種148人)で、これとは別に2月28日から3月9日分の遅れて報告された死亡者が98人(34〜100歳)おり、第5波開始以来の累計死亡者数は3231人、死亡率は0.51%に。
2月以降の感染急拡大を受け、検査体制の逼迫、公立病院の隔離病床の不足が深刻化している状況で、感染確認または陽性となった人が自宅での待機を余儀なくされているケースも多い。目下、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設を進めているほか、各種防疫措置の強化、全市民を対象とした強制PCR検査の実施なども発表済み。全市民対象の強制PCR検査に関しては、当初3月実施予定とアナウンスされたものの、現時点まで具体的な実施スケジュールは示されていない。
このほか、香港の3月10日午後8時時点のワクチン接種率は90.8%(1回目の接種完了)、79.2%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は50.2%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。10日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は7万6660回で、高位を維持した。
年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳が79.7%、80歳以上が53.8%と大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。