中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は19省市区で1947人…大半が吉林省、無症状は上海市が最多=3/20
- 2022/3/21 10:17
- 香港・大湾区
中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。
中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月21日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月20日の中国本土における新規市中感染確認は1947人(前日から291人増)だったとのこと。内訳は、吉林省1542人(長春市1079人、吉林市452人、四平市8人、延辺朝鮮族自治州2人、松原市1人)、福建省154人(泉州市129人、ホ田市20人、ショウ州市3人、アモイ市2人)、河北省51人(廊坊市48人、唐山市2人、滄州市1人)、広東省38人(深セン市33人、広州市3人、東莞市1人、中山市1人)、遼寧省35人(営口市25人、瀋陽市8人、大連市2人)、黒竜江省27人(ハルビン市)、上海市24人(閔行区18人、黄浦区2人、徐匯区1人、長寧区1人、嘉定区1人、浦東新区1人)、天津市18人(河北区5人、浜海新区5人、武清区4人、西青区2人、北辰区1人、寧河区1人)、陝西省14人(宝鶏市10人、銅川市2人、西安市2人)、山東省13人(青島市7人、浜州市5人、シ博市1人)、湖南省10人(懐化市8人、長沙市1人、邵陽市1人)、甘粛省6人(蘭州市5人、蘭州新区1人)、北京市4人(東城区3人、朝陽区1人)、雲南省4人(徳宏タイ族チンポー族自治州3人、紅河ハニ族イ族自治州1人)、内モンゴル自治区2人(フフホト市)、浙江省2人(嘉興市1人、衢州市1人)、江西省1人(南昌市)、河南省1人(焦作市)、重慶市1人(沙坪ハ区)。このうち吉林省の36人、天津市と福建省の各6人、広東省の3人、山東省の2人、甘粛省の1人の計54人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは156日連続。4桁となるのは9日連続。
市中の無症状感染例についても37日連続で出現し、上海市734人(閔行区247人、浦東新区219人、徐匯区46人、黄浦区40人、嘉定区39人、静安区32人、普陀区17人、宝山区13人、奉賢区13人、長寧区12人、虹口区12人、崇明区12人、金山区11人、松江区9人、楊浦区8人、青浦区4人)、吉林省549人(吉林市545人、松原市2人、長春市1人、四平市1人)、河北省356人(廊坊市351人、唐山市3人、邯鄲市1人、滄州市1人)、山東省286人(浜州市265人、威海市9人、シ博市5人、イ坊市3人、青島市2人、臨沂市1人、聊城市1人)、遼寧省109人(大連市74人、瀋陽市23人、営口市12人)、福建省107人(泉州市101人、福州市4人、ホ田市2人)、江蘇省58人(常州市46人、南京市10人、無錫市1人、蘇州市1人)、江西省33人(南昌市30人、宜春市3人)、甘粛省27人(蘭州市25人、白銀市2人)、雲南省25人(徳宏タイ族チンポー族自治州24人、紅河ハニ族イ族自治州1人)、広西チワン族自治区21人(欽州市13人、防城港市4人、崇左市4人)、浙江省16人(衢州市9人、嘉興市4人、湖州市3人)、広東省16人(深セン市11人、東莞市4人、中山市1人)、黒竜江省14人(ハルビン市)、安徽省10人(銅陵市7人、亳州市3人)、河南省9人(焦作市)、天津市7人(河北区3人、武清区2人、西青区1人、浜海新区1人)、内モンゴル自治区5人(フフホト市)、海南省1人(三亜市)、重慶市1人(沙坪ハ区)の計2384人。
香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況で、3月20日まで37日連続。中でも深セン市の流行はオミクロン変異株(「ステルスオミクロン」とも呼ばれる亜種BA.2を含む)が主とされる。
深セン市では20日から1週間にわたって実施されたロックダウンが実施され、当初予定通り20日いっぱいで解除された。21日からは公共路線バスや地下鉄が全面運行再開となるが、生活上必須ではないと定義される屋内施設についてはしばらくの間、クローズを継続とし、公共の場所や公共交通機関を利用する際に48時間以内に受検したPCR検査陰性証明の提示を必須とする措置が講じられるという。
目下、同省内では、広州市、珠海市、中山市でも一部区域のロックダウン、全市レベルで屋内娯楽施設の一時クローズといった措置が講じられている。
3月20日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2万1388人(うち輸入性が1771人)で、重症者は39人(うち輸入性1人)。無症状の患者1万8327人(輸入性1658人)が医学観察下にあるとのこと。
中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「動態清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。
マカオ特別行政区では3月20日まで161日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月20日までの累計は約103.5万人、死亡率は約0.55%に。近日になってようやくピークを過ぎたとの見方が示されたが、依然として高止まりが続く。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設、医療支援チームの受け入れなどが進む。
上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、近日は広東省珠海市で出現した感染例の濃厚接触者あるいは二次接触者に認定され、隔離検疫の対象とされるケースが相次いでいる。また、マカオや深セン市、珠海市で香港から陸路で到着した人の感染確認も数多く確認されており、香港では21日から陸路出境者に対する追加の検査を必須とする措置がスタートする。