中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は20省市区で2281人…吉林省に集中、無症状は2日連続上海市が最多=3/21

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月22日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月21日の中国本土における新規市中感染確認は2281人(前日から334人増)だったとのこと。内訳は、吉林省1902人(長春市1437人、吉林市438人、四平市23人、延辺朝鮮族自治州4人)、福建省110人(泉州市89人、ホ田市16人、アモイ市2人、ショウ州市2人、福州市1人)、遼寧省67人(営口市55人、瀋陽市7人、大連市5人)、黒竜江省43人(ハルビン市)、上海市31人(閔行区10人、浦東新区6人、嘉定区5人、徐匯区4人、崇明区2人、普陀区1人、金山区1人、松江区1人、奉賢区1人)、山東省25人(浜州市17人、煙台市5人、徳州市2人、青島市1人)、広東省25人(深セン市23人、中山市2人)、江西省14人(南昌市)、河北省11人(廊坊市6人、唐山市5人)、天津市8人(西青区4人、河東区1人、紅橋区1人、武清区1人、浜海新区1人)、湖南省8人(懐化市4人、長沙市3人、邵陽市1人)、河南省7人(焦作市6人、開封市1人)、陝西省7人(宝鶏市)、北京市4人(東城区4人、朝陽区2人)、甘粛省5人(蘭州市3人、蘭州新区2人)、江蘇省3人(常州市2人、塩城市1人)、雲南省3人(徳宏タイ族チンポー族自治州2人、紅河ハニ族イ族自治州1人)、内モンゴル自治区2人(フフホト市1人、通遼市1人)、浙江省2人(嘉興市1人、衢州市1人)、重慶市2人(巴南区1人、永川区1人)。このうち吉林省の33人、福建省と河南省の各5人、遼寧省の4人、広東省、雲南省、甘粛省の各2人、内モンゴル自治区、黒竜江省、上海市、江蘇省、浙江省、江西省の各1人の計61人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは157日連続。4桁となるのは10日連続。

 市中の無症状感染例についても38日連続で出現し、上海市865人(浦東新区164人、徐匯区129人、閔行区110人、嘉定区97人、宝山区66人、黄浦区48人、静安区45人、崇明区38人、松江区37人、普陀区31人、長寧区26人、虹口区23人、奉賢区21人、金山区15人、楊浦区10人、青浦区5人)、吉林省563人(吉林市558人、延辺朝鮮族自治州3人、四平市1人、遼源市1人)、河北省212人(廊坊市170人、唐山市42人)、山東省184人(浜州市166人、シ博市7人、青島市5人、威海市4人、煙台市1人、徳州市1人)、遼寧省183人(営口市102人、大連市41人、瀋陽市40人)、福建省110人(泉州市108人、ホ田市2人)、江西省35人(南昌市31人、宜春市3人、上饒市1人)、甘粛省30人(蘭州市24人、蘭州新区3人、天水市2人、臨夏回族自治州1人)、江蘇省29人(常州市20人、南京市3人、蘇州市2人、連雲城市2人、南通市1人、塩城市1人)、天津市28人(河北区7人、東麗区6人、西青区5人、河東区3人、静海区3人、北辰区1人、武清区1人、浜海新区1人、寧河区1人)、広西チワン族自治区18人(欽州市12人、防城港市2人、崇左市2人、桂林市1人、南寧市1人)、黒竜江省13人(ハルビン市)、安徽省12人(馬鞍山市5人、銅陵市5人、合肥市1人、安慶市1人)、雲南省12人(徳宏タイ族チンポー族自治州10人、紅河ハニ族イ族自治州2人)、浙江省6人(衢州市)、広東省5人(深セン市)、河南省4人(焦作市)、内モンゴル自治区3人(フフホト市)、重慶市1人(永川区)の計2313人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況で、3月21日まで38日連続。中でも深セン市の流行はオミクロン変異株(「ステルスオミクロン」とも呼ばれる亜種BA.2を含む)が主とされる。

 感染確認例が集中していた深セン市については、20日までにロックダウンが解除されたが、依然として厳格な防疫措置は維持されており、段階的に緩和を進める方針とのこと。広州市、珠海市、中山市でも一部区域のロックダウン、全市レベルで屋内娯楽施設の一時クローズといった措置が講じられている。

 3月21日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2万3138人(うち輸入性が1631人)で、重症者は42人(うち輸入性1人)。無症状の患者2万0155人(輸入性1634人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「動態清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月21日まで162日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月21日までの累計は約105万人、死亡率は約0.56%に。近日になってようやくピークを過ぎたとの見方が示されたが、依然として高止まりが続く。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設、医療支援チームの受け入れなどが進む。

 上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、近日は中国本土で出現した感染例の濃厚接触者あるいは二次接触者に認定され、隔離検疫の対象とされるケースも相次いでおり、流入に備えて防疫措置が引き締めとなっている。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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